タンパク質の特徴的な立体構造を活かした振動エネルギー移動機構の解明
Project/Area Number |
19J20486
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 32010:Fundamental physical chemistry-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山下 聡 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 振動エネルギー移動 / タンパク質 / 分光学 |
Outline of Research at the Start |
化学反応はエネルギーのやり取りを伴いながら進行していく。そのため、化学反応を根本的に理解するためには、原子や分子のような小さな空間でエネルギーがどのように流れていくのかを知る必要がある。 原子・分子の空間におけるエネルギーの流れを観測する対象として、ヘムタンパク質と呼ばれるタンパク質が非常に適している。この研究では、ヘムタンパク質を用いてタンパク質内でエネルギーが直線方向にどのように流れているのか、またエネルギーはどのような方向に流れていくのかを詳しく調べる。この研究で得られる結果から、原子・分子の空間でのエネルギーの流れを可視化し、エネルギーが流れていくメカニズムを解き明かすことを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
2021年度はタンパク質内エネルギー移動における距離依存性と方位依存性を調べた.距離依存性に関しては,シミュレーションを行っている研究室との共同研究を行い,実験データをより詳細に議論した.シミュレーションによって得られたタンパク質構造をもとに,実験結果を解析すると,タンパク質内でのエネルギーの流れは拡散的であるということが明らかとなった.さらに定量的に議論するために,古典的な熱の拡散モデルと実験結果を比較した.その結果,タンパク質内のエネルギーの流れを古典的な熱拡散モデルによってうまく再現することができた.これはタンパク質内部が非常に密に原子が詰まった構造であることによると考えられる.この研究をまとめ,Journal of Physical Chemistry B誌に投稿した. 方位依存性に関して,前年度までで精製法を確立していた3つの変異体に対して,エネルギー移動を観測した.3つの変異体へのエネルギーの流れを比較すると,熱源分子から温度計分子へのエネルギーの流れはほとんど差がなかった.測定した3つの変異体では,熱源分子と温度計分子が接しており,その距離が同じである.エネルギーに差が見られなかったことは,方位に依存せず距離に依存依存してエネルギーが伝わっていることを示唆している.このことはタンパク質の原子が密に詰まっている構造に起因すると考えられる. これらの研究に加え,タンパク質内部の過渡的な温度を定量化する研究も行い,論文にまとめ,Journal of Physical Chemistry誌に掲載された.
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(9 results)