炎症性腸疾患の病態における活性化受容体の機能解明と治療応用の検討
Project/Area Number |
19J20754
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 49030:Experimental pathology-related
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
新谷 優歩 筑波大学, 人間総合科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2020: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2019: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 炎症性腸疾患 / 活性化受容体 / 免疫受容体 / ヘルパーT細胞 / 制御性T細胞 |
Outline of Research at the Start |
炎症性腸疾患は先進国で患者数が急増しており、病態解明及び新規治療開発は社会的に求められている。 本研究では、炎症性腸疾患の新規治療標的として免疫細胞上に発現する活性化受容体DNAM-1に着目した。DNAM-1は炎症性腸疾患のエフェクター細胞であるTh1、Th17上に発現しており、これらの細胞の活性化を介して腸炎病態の増悪に関与していることが推察される。 本研究では、DSS誘導性腸炎モデルを用いて、DNAM-1が炎症性腸疾患の病態に寄与する分子メカニズムを解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究から, DNAM-1欠損またはDNAM-1中和抗体の投与により, DSS誘導性腸炎における体重減少に有意な差は認められないものの, 腸炎病態悪化による大腸の萎縮が抑制されており, DNAM-1がDSS誘導性腸炎病態の増悪に関与していることが示された. 次に, DNAM-1がDSS誘導性腸炎病態形成に関わるメカニズムを明らかにするために, 腸炎誘導後のマウス大腸を培養し, 培養上清中に含まれるサイトカイン量を測定した. その結果, DNAM-1欠損マウスでは野生型マウスと比較して, IL-17A及びTNF-αの産生量が低下しており, DNAM-1がこれらの炎症性サイトカインの産生促進を介して腸炎病態の増悪に関与している可能性が示された. また, 大腸粘膜固有層に浸潤する免疫細胞のサブセット解析を行ったところ, DNAM-1欠損マウスでは野性型マウスと比較して, 腸炎誘導3日目において単球・マクロファージの割合が少なく, CD4+T細胞及び制御性T細胞の割合が多いことが示された. しかし, 腸炎誘導7日目では免疫細胞サブセットにおいて, 野生型及びDNAM-1欠損マウス間で有意な差は認められなかった. DNAM-1は大腸粘膜固有層に存在する免疫細胞の中では, 主にT細胞に発現しており, 単球やマクロファージにはほとんど発現していない. このことから, CD4+T細胞上のDNAM-1が病態に関与している可能性が推察されるが, 腸炎誘導後3日目という初期段階で獲得免疫細胞であるCD4+T細胞の割合が既に異なっている点は興味深い点である. 考えられる仮説としては, 炎症初期段階から炎症応答促進に関与する免疫細胞上のDNAM-1などがDSS腸炎病態形成の起点となりCD4+T細胞に影響している可能性が考えられるが, この点は現時点では明らかにできておらず, 今後の課題である.
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)