らせん状ナノグラフェンの精密合成と分子コイル創出に向けた物性評価
Project/Area Number |
19J21095
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 33010:Structural organic chemistry and physical organic chemistry-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中莖 祐介 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2021: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2020: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | らせん構造 / 多環芳香族炭化水素 / キラル光学特性 / 量子化学計算 / 分子ばね特性 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、らせん状ナノグラフェンの合成法を確立し、分子コイル実現への可能性を示すことである。具体的には、より長く、幅広いπ共役を有するらせん状ナノグラフェンの合成法の確立を行う。らせん骨格の拡張には、①らせん径の拡大 ②らせんに水平な方向へのπ拡張 ③分子長の伸長という3種類の方法が存在する。本研究では、3種類の拡張を行うための合成戦略を確立する。次に、電極と、らせん状ナノグラフェン、金ナノ粒子からなるネットワークを形成する。このネットワークに対して、交流電圧を印加することで、電気伝導度の周波数依存性、すなわち分子コイル特性についての調査を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、初年度および昨年度の研究を行う中で確立した合成戦略を応用して均一なπ共役を有する拡張偶数ヘリセンの合成と、EPRおよびSQUIDを用いて、その磁気特性の評価を行った。合成したラジカルは、炭素中心の有機ラジカルとして、例外的な安定性を示すことが分かった。量子化学計算に基づいて、観察された安定性は、大きなスピン密度を有する活性な炭素原子部位が、らせんの内部に位置することで、周囲の芳香環によって効率的に保護されているためであることを見出した。2つ目の研究課題として、炭素42個という比較的小さなπ系にもかかわらず、近赤外域に及ぶ発光を示すらせん分子の合成を行った。得られた近赤外発光のカギは、ジベンゾ[a,c]アントラセンユニットの軌道間の相互作用が大きくなるように縮環した分子を設計したことにあった。3つ目の研究課題として、π拡張奇数ヘリセンと、オリジナルのヘリセンについての伝導特性を、交換相互作用の減衰に基づいて理論的に評価した。結果として、π拡張ヘリセンは無置換のヘリセンと比較して良好な伝導特性を示すことが示唆された。また、その良好な伝導特性は、らせん内部のポリエン的な部分構造に起因することを見出した。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(9 results)