Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2020: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2019: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は本研究課題の主題である単分子接合系の構造変化に伴う電子構造の評価だけでなく、異なる吸着構造同士の電子構造変化の違いについて比較も行った。電気伝導度の計測には、金電極と結合し、配位結合、共有結合、ファンデルファールス結合を形成する1,4-benzenediamaine (BDA), 1,4-benzenedithiol (BDT), 1,4-benzenedicyano (BCN), 1,4-benzenediisocyanide (BDI), 4,4’-bipyridine (BPY), 1,6-hexanediamine (HDA), 4-phenylpyridine (PPY), fullerene (C60)の8種の分子を用い、電子構造変化の計測にはBDA, BDT, BDI, BPY, C60の5つの分子を用いた。この計測と密度汎関数法を用いた結合力の評価によって、電気伝導度の減衰率と結合力の間に結合種ごとの相関関係が見られることが新たに分かった。そして、昨年度開発した高速I-V計測システムを改良し、接合構造に機械的な応力を印加しながら電子構造を連続的に評価できるシステムを開発した。新たに構築した高速電流計測システムを用いることで初めて、分子接合を伸長する過程のI-V特性を計測し、3 pmの距離分解を実現することで、電子状態の応力応答性の観察に成功し、金属-分子界面における力学的特性と電気的特性の相関関係の起源を明らかにすることに成功した。これらの成果は,金属―分子界面の物理において重要な知見を与えるものであり、日本分子科学会、日本表面真空学会、ISSS-9ではこの研究成果が評価され、学生優秀発表賞を受賞した。
|