Project/Area Number |
19J21377
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 01030:Religious studies-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木村 風雅 東京大学, 人文社会系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | ガザーリー / アラーイー / 思弁神学(カラーム) / ハディースの徒 / セルジューク朝 / マムルーク朝 / シャーフィイー派法学 / トルコ / 教友の学説 / サラフ主義 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、近現代の「イスラーム古典思想改革運動」の中でのイスラーム学古典再解釈の実態解明を目的としている。具体的には、 (1)古典期の大学者アブー ・ハーミド・ガザーリー (d. 1111)の著作が、18世紀から現代まで続く「イスラーム古典思想改革運動」の中でどのように再評価されたかを、イスラーム社会の近代化を図る近現代の知識人と、それに抵抗する勢力双方の立場から解明する。また、(2)古典再評価の担い手を単純に「近代化推進派/抵抗派」へと二分するだけでなく、移民により民族的構成が流動化する中東諸国の中で、どのような政治宗教勢力が権威的団体として機能しているかをフィールドワークにより解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ガザーリー(Abu Hamid al-Ghazali, d. 1111)に代表されるポスト古典期(約12-15世紀)の中世におけるイスラーム思想が、近現代のイスラーム復興運動に与えた思想的影響を分析することを目的としていた。今日のイスラーム世界においてガザーリーは「スンナ派イスラーム思想の完成者」として評価されることが定着しているが、その評価は彼が中世においてイスラーム諸学(伝統的な神学や法学)と外来の学(ギリシア由来の論理学や形而上学)を組み合わせ、イスラームの学問体系を再構築した点に求められる。 このように外来の学を用いてイスラーム学知の再編を試みた彼の思想は、西欧列強の植民地主義と近代化の流れに抗えなくなった近現代のムスリム諸国の知識人を惹きつけるものであった。つまり、近現代のイスラーム知識人は伝統的な学問を近代的な科学や政治思想と調停させるか否かの課題に際して、ガザーリーの開明的でリベラルな思想にイスラームの近代化の範を求めた。 当然、このようなイスラームの開明思想や改革思想には、中世においても近現代においても保守反動の思想が対峙することとなる。本研究はこのような保守思想と改革思想の対立をイスラームの学問論と法理学の側面から分析し、外来の形而上学の影響を被りやすい思弁神学の学問的是非、また法理学における判例主義と理性主義の対立などの論点が中世から現代まで引き継がれていることを思想史として明らかにした。特に改革思想の旗手として知られるガザーリーと同じ法学派に属するマムルーク朝のトルコ人学者アラーイー(Salaf al-Din al-'Alai, d. 1359)による先駆的な反改革保守思想による宗教復古運動が近現代のサラフ主義とどう共鳴しうるかを法理論の側面から明らかにした。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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