Project/Area Number |
19J21550
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 08020:Social welfare-related
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
田中 将太 立命館大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2020: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2019: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 軍人恩給 / 厚生省保険局 / 谷干城 / 軍人恩給制度 |
Outline of Research at the Start |
軍人恩給制度は、明治8年に制定された「陸軍武官傷痍扶助及ヒ死亡ノ者祭粢並ニ其家族扶助概則」に始まり、現在の公的年金制度の祖とされるのが定説となっている。 しかし、研究史上においては十分にその役割を位置づけられていると言えず、例えば制度史研究においては総理府恩給局編の『恩給制度史』・『恩給百年』に依拠するところが多い。 そのため本研究においては、未公刊・未翻刻も含めた個人文書や、雑誌・新聞等を参考にして、軍隊が存在した期間における軍人恩給制度史と、軍人恩給制度の社会的立ち位置を検討するものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の課題である軍人恩給制度は、日本における社会福祉史の研究史上において、「慈恵的」・「特権的」であるとして、近代的な社会福祉制度とはある種異質なものとして扱われ、捨象されてきた。 しかし、実際に軍人恩給によって生計を維持した受給者は確かに存在したという事実に目を向けると、軍人恩給制度の別の側面が浮かび上がる。すなわち、国家の安全保障のみならず、国民の生活の保障を目的とした制度であるという側面である。 近代日本が、富国強兵と国民皆兵を標榜した以上、毎年一定数の成人男子(壮丁)を徴兵し、軍人として訓練する必要が発生する。このとき、政府にとっては、退役するか、戦死・負傷した軍人およびその遺家族の生活をいかに保障するかという課題が浮かび上がる。なぜならば、強兵のスローガンのために、労働力たる成年男子を一定数、強制的に軍人という経済力の向上にはあまり寄与しない職業につけ、あまつさえ死なせてしまうということは、富国というもう一つのスローガンにとって不利益を与えかねない。このような状況において、国家が軍人および遺家族の生活を保障する必要があることはある種必然であった。本研究は、その観点から、軍人恩給制度を近代日本社会福祉史の中に再定位することが目的である。 今年度は、前年度までに完了した調査をもとに、軍人恩給制度の出発点となった明治8年「陸軍武官傷痍扶助及ヒ死亡ノ者祭粢並ニ其家族扶助概則」の成り立ちと、そこから始まった軍人恩給制度が試行錯誤の末にどのような形に固まっていくのかを題材とした論文を学術雑誌に投稿し、掲載された。 また、前年度に発見された課題のうち、第二次世界大戦後におけるGHQ/SCAPによる軍人恩給停止と、それに対する厚生省保険局の対応についての検討を進め、論文として発表するための準備を進めた。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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