Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2020: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2019: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Outline of Research at the Start |
量子揺らぎを用いて, 組合せ最適化問題を近似的に解く手法として, 量子アニーリングという手法がある. 組合せ最適化問題は我々の身の回りに多く存在し, トラックの配送問題などがあげられる. 近年, 横磁場以外の量子揺らぎを導入することで, 局所最適解から抜け出し量子アニーリングの性能が向上することが報告されている. 本研究課題では量子アニーリングの次なる応用先として,機械学習における組合せ最適化問題に着目する. 横磁場を超えた量子揺らぎを利用することでモデルの汎化性能の向上が見込まれる.
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Outline of Annual Research Achievements |
年次計画に記した通り, 量子モンテカルロ法を用いて, 1 次元横磁場イジングモデルのスピン配位から横磁場を学習するニューラルネットワークを作成した. これにより量子アニーラーを用いてサンプリングしたスピン配位を入力にして, 量子アニーラー内のパラメータから横磁場を推定することができた. その横磁場推定器を利用して, 横磁場以外の量子揺らぎをシミュレートする手法である適応的量子モンテカルロ法を量子アニーラー上で動かすアルゴリズムを作成し実装した. また, 通常の古典コンピュータ上で反強磁性相互作用をシミュレートする方法と量子アニーラーを利用してサンプリングする手法との比較を行った. 推定の精度は古典コンピュータに比べ劣るが, サンプリングの速度は量子アニーラーの方が速かった. 横磁場以外の量子揺らぎの有用性を示すために, p体SKモデルに対して横磁場以外の量子揺らぎを導入した量子アニーリングの典型的な性能評価をレプリカ法を用いて行った. その結果, p>2でp体SKモデルが持つ1次相転移が2次相転移になることが分かった. 1次相転移は量子アニーリングにおけるボトルネックであり, 計算時間の指数関数的な増加をもたらす. p体SKモデルの持つ1次相転移は多体相互作用由来である. 磁場由来の1次相転移についても解析を行った. 扱った問題は無線通信技術で使われていた符号分割多重接続(CDMA)モデルである.この問題はユーザー数と観測数の比が過負荷の場合, 1次相転移を持つ. この問題に対して, 横磁場以外の量子揺らぎを導入した場合を解析したところ, この問題の持つ一次相転移は横磁場以外の量子揺らぎでは回避することができないことが分かった.
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