ペプチド-金属の自己集合に基づく絡まりを伴う機能性球殻構造の構築
Project/Area Number |
19J21926
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 32020:Functional solid state chemistry-related
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
猪俣 祐貴 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
|
Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | ペプチド / フォールディング / 絡まり / 自己集合 / 結び目 / カプセル / 配位結合 / ゲスト包接 |
Outline of Research at the Start |
ペプチド・金属の自己集合系において、ペプチド鎖同士の絡まりを伴う自己集合挙動を利用してウイルスのような巨大球殻状構造を構築し、分子の閉じ込め効果や酵素のような活性中心を有する球殻状構造の化学的構築へ発展させる。 ペプチド鎖の絡まりを誘起するループ配列と、ペプチド鎖の屈曲を誘起するターン配列の組み合わせからなる配位子を設計し、金属イオンとの自己集合を検証することで、およそ30000Åにおよぶ巨大な空間を創出し、従来のカプセル状集合体には不可能な前人未踏の大きさの分子の閉じ込めへ展開させる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
絡まりを伴う機能性球殻構造の構築を目指し、本年度は高次の複雑さをもつ巨大球殻構造の創出に着目して研究を行った。 前年度の研究において、配位性の強い官能基を有する側鎖による球殻構造の安定化効果が明らかとなっていたので、配位性側鎖を積極的に導入することによる巨大球殻構造の安定化を検討した。種々の検討の結果、末端アセチレン側鎖を有する人工アミノ酸をペプチド骨格に導入すると6nmサイズの巨大構造が溶液中で定量的に生成することが見出された。放射光施設での単結晶X線構造解析により構造を明らかにし、直径6.3nm, 金属60個と配位子60分子の計120成分からなる、正十二面体型の60交点巨大絡まり球殻構造の生成を確認した。この分子は、三配位の金属イオンと三座配位子によって形成されるネットワーク状絡まり部分構造が球状に閉じた構造と見なすことが可能であり、分子トポロジーの複雑さの階層をリングによる絡まりからネットによる絡まりへ上昇させた。内部空間に着目すると、それまでの24交点絡まりカプセルが有していた空間の十倍の体積を有する直径4nmの巨大空間を球殻構造内に有することが明らかとなった。これは、天然に存在するタンパク質を内包しうる空間サイズである。さらに、配位数の多さに由来する球殻構造の酸化・希釈・加熱に対する高い安定性も確認し、過激条件下での分子認識や触媒といった人工酵素への応用に適する性質をもつことを見出した。 以上のように、ペプチドー金属の自己集合に基づき、60交点数の複雑さをもつ巨大絡まり球殻構造の構築を達成した。
|
Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Report
(3 results)
Research Products
(12 results)