細胞核のバイオメカニクスを基軸にしたグリオーマ幹細胞の微小間隙浸潤機構の解明
Project/Area Number |
19J22105
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 90110:Biomedical engineering-related
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
長南 友太 慶應義塾大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | グリオーマ幹細胞 / 不均一性 / 細胞密度 / シグナル伝達経路 / 細胞核 / メカノバイオロジー |
Outline of Research at the Start |
悪性脳腫瘍グリオブラストーマを構成するグリオーマ幹細胞が周辺組織へ広く浸潤する時,組織内の微小間隙を通過するために細胞核が大きく変形する.一般的に,細胞は外部環境からの力を感知し応答することで特定の機能を発現および調整することが知られている.しかし,細胞核の変形がグリオブラストーマの進行に果たす役割は不明である.そこで本研究では,マイクロチップにより生体外で微小間隙を再現することで,浸潤に伴う細胞核変形がグリオーマ幹細胞に与える影響を調査する.特に,細胞核変形が治療抵抗性の一因であるがん細胞の不均一性を誘導する可能性とそのメカニズムを検討する.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の当初の目的は,微小間隙通過時に起こる細胞核変形が悪性脳腫瘍グリオーマ細胞の空間的な不均一性を誘導する可能性およびそのメカニズムを調査することであった.しかし,第二年度までの研究により,グリオーマ細胞の空間的な不均一性は細胞密度およびパラクラインシグナルに応じて誘導されることが明らかになった.これは,微小間隙通過とは独立して起こる現象であるが,グリオーマ細胞同士の相互作用によってのみ起こることから,空間的な不均一性を制御する最も基本的な原則であると考えた.そこで最終年度では当初の計画を変更し,細胞密度およびパラクラインシグナルに依存してグリオーマ細胞の空間的な不均一性が発生する分子メカニズムを調査した.本研究ではグリオーマ細胞がコラーゲンゲル内に浸潤する様子を観察することで,浸潤後方における分化およびグリオーマ幹細胞の浸潤を制御するシグナル伝達経路を調査した.その結果,浸潤後方でのグリオーマ細胞の分化はTGF-βファミリーのパラクラインシグナルによって誘導されることを明らかにした.さらに,グリオーマ幹細胞の浸潤にはp38とERKシグナル伝達経路が重要な役割を果たすことも明らかにした.当初の目的とは異なるものの,本研究により,グリオーマ細胞の空間的な不均一性を誘導する主要なシグナル伝達経路を特定することができた.本研究によって得られた知見は,浸潤先端のグリオーマ幹細胞を標的とする治療戦略の開発に役立つことが期待される.
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(7 results)