転写因子p53-ヒストン相互作用を介した、転写活性化メカニズムの解明
Project/Area Number |
19J23094
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 43050:Genome biology-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西村 正宏 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | p53 / クロマチン / ヌクレオソーム / ヒストン / パイオニア転写因子 |
Outline of Research at the Start |
真核生物のゲノムDNAは、階層的に折りたたまれたクロマチン構造を形成して細胞核内に収納されている。クロマチンの構造は、遺伝子の働きを調節する転写因子がDNAと結合可能なゲノム領域を制御する。転写因子p53は通常の転写因子が結合できないゲノム領域のDNAと結合し、クロマチン構造を変化させることでがんの抑制に関わる遺伝子の働きを活性化させることができると考えられているが、その詳細なメカニズムは不明である。そこで本研究では、p53によるクロマチン構造変換のメカニズムを生化学的・構造生物学的解析により明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
真核生物のゲノムDNAは、ヌクレオソームを基本単位としたクロマチン構造を形成している。ヌクレオソームはヒストン8量体にDNAが約150塩基対まきついた円盤状の構造体であり、ヌクレオソーム形成領域中では通常の転写因子等によるDNA結合が阻害される。一方、細胞の分化・発生・初期化・環境応答の初期段階で活性化される一部の転写因子 (パイオニア転写因子)は、ヌクレオソーム中の標的DNA配列と結合可能である。そこで、本研究では、パイオニア転写因子によるヌクレオソーム中の標的DNA配列認識機構を明らかにするため、がん患者において高頻度に突然変異があると報告されているパイオニア転写因子p53に着目し、生化学的・構造生物学的解析をおこなってきた。本年度は昨年度までに得られたp53-ヌクレオソーム複合体の構造情報に基づき、ヌクレオソームの末端DNA領域を欠失させたコンストラクトを作製し、構造解析の最適化を行った。最終的に構造解析に最適化したヌクレオソームとヒトp53からなる複合体は、ショ糖と架橋剤の密度勾配超遠心分離法により精製した。その後、架橋剤の種類や緩衝液の組成、観察用グリッドの作製条件などを検討することで、クライオ電子顕微鏡観察に最適な条件を探索した。得られた観察用グリッドに対して透過型電子顕微鏡によるデータコレクションをおこない、約8400枚の画像を取得した。これらの画像から約270万個の粒子画像を抽出し単粒子解析をおこなうことで、複合体の密度マップを得ることに成功した。加えてp53が接触するヌクレオソーム中のDNA領域を生化学的手法により同定することに成功した。 以上の知見は、主要ながん抑制因子であるp53がパイオニア転写因子として機能する新たな構造的基盤を示すものである。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)