Project/Area Number |
19J23587
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 13030:Magnetism, superconductivity and strongly correlated systems-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中根 丈太郎 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | スピントロニクス / 反強磁性体 / 微小領域磁性 / スピン流 / 理論 |
Outline of Research at the Start |
近年スピントロニクスでは、スピンデバイスの候補物質として局在スピンが互いに反平行に並ぶ反強磁性体が注目を集めている。反強磁性体は強磁性体と比べ理論的な取り扱いが複雑であるが、漏れ磁場の消失や高速スピンダイナミクス、候補物質の豊富さなど高いポテンシャルを秘めているため、将来スピンデバイス開発の基盤となる可能性を大いに秘めている。 本研究は、反強磁性体におけるスピンテクスチャ(磁壁とスカーミオン)の電流駆動を微視的理論に基づいて解明することを目標としている。本研究の成果は反強磁性体における物理現象の理解を深め、電流を使った反強磁性体スピンデバイス模索の良い指標になると期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
第3年度は、反強磁性体の電流誘起トルクの微視的計算を行い、筆頭著者として論文2報を発表した。 1報目は反強磁性体磁壁駆動の理論に関する論文である。本論文では反強磁性体におけるスピン移行トルク、その散逸補正、ダンピングトルクを微視的に計算した。散逸補正とダンピングトルクを計算するには磁性不純物を考慮する必要があった。微視的計算から、散逸補正とダンピングトルクが強磁性体のものと類似していること、またスピン移行トルクが強磁性体のものと逆符号であることを示した。スピン移行トルクが逆符号であることは、電流誘起磁壁駆動の方向が反強磁性体と強磁性体で逆であることを意味する。この結果は角運動補償点におけるフェリ磁性体GdFeCo(反強磁性的な磁化ダイナミクスが期待される)の実験結果を説明するものである。 2報目は反強磁性マグノンのドップラーシフトに関する論文である。1報目では従来通り一種類のスピン移行トルクしか計算していなかったが、2報目では反強磁性体に二種類のオーダーパラメター(ネール成分と一様成分)が存在することに着目し、それぞれに対応するスピン移行トルク(v_nとv_l)があることを示した。そして、反強磁性マグノンのドップラーシフトは(v_n+v_l)/2で与えられることがわかった。また、伝導電子については最近接ホッピング(t)のほかに次近接ホッピング(t’)まで含めて計算した。伝導電子のホッピングtがt’よりも大きいときは反強磁性的なトランスポート、t’がtより大きいときは強磁性的なトランスポートを表す。反強磁性的なトランスポート領域ではv_nとv_lは逆符号で与えられ、ドップラーシフトは伝導電子の化学ポテンシャルによって符号を変える。対して強磁性的トランスポート領域では両スピン移行トルクが強磁性体におけるスピン移行トルクの表式と一致することが分かった。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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