Project/Area Number |
19J23672
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 33010:Structural organic chemistry and physical organic chemistry-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 正人 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | ラジカル / ホウ素 / 蛍光 / 近赤外発光 / アセン / 有機化学 / OLED |
Outline of Research at the Start |
有機πラジカルは不対電子に由来して特異な光・電子物性を示す.一方で,本質的な不安定性が問題である.本研究では,平面固定化とホウ素の導入によるπラジカルの安定化という切り口をもとに,光・電子機能性の追求を目的とする.πラジカル本来の両極性電荷輸送能に加え,ホウ素を電子受容性部位として導入することにより,長波長での蛍光特性を付与できる.この高い潜在性をもつ分子骨格をさらに造り込み,分子構造を最適化することで,電荷輸送能を向上させ,新たな発光性電荷輸送性材料としての多彩な展開を目指す.さらに,リビングラジカル重合への展開というまったく異なる方向性の展開を組み入れ,安定化ラジカルの機能性を探求する.
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は申請内容(2)に記載した,近赤外発光性ラジカルの創製に取り組んだ.また,ホウ素安定化ラジカルの発光特性に着目し,従来の発光性ラジカルとの違いを明らかとするため,励起状態計算等の量子化学計算に関しても取り組んだ. 近赤外発光性ラジカル種の創製について,より長波長領域での電子遷移を狙い,分子内に電子ドナーであるアミノ基と,電子アクセプターであるホウ素を含むラジカル種を設計し,合成法の確立を目指した.鍵前駆体までの合成と精製方法の確立を達成した.さらに,ホウ素の導入およびラジカル化の検討も行い,標的ラジカルが近赤外領域で電子遷移を示すことも確認した. 量子化学計算については,ホウ素安定化ラジカルと従来の発光性ラジカルに関して行った.実験結果として,従来の発光性ラジカルは溶媒の極性に依存し,蛍光の長波長シフトと量子収率の低下が見られることに対し,ホウ素安定化ラジカルは極性溶媒中でも高い量子収率を維持することが明らかとなっている.この理由について考察するため,基底状態と励起状態のそれぞれについて構造最適化を行い,natural orbitalの解析を行うことで,電子遷移の特徴および電子励起に際しての構造変化の大きさに関する調査を行った.計算の結果,従来のラジカルは,ドナー周辺に広がったHOMOからラジカル周辺に広がったSOMOへのHOMO-SOMO遷移であるのに対し,ホウ素安定化ラジカルは,ラジカル周辺に広がったSOMOからホウ素周辺に広がったLUMOへの遷移となり,SOMO-LUMO遷移を示す分子系であることが明らかとなった.また,結合性の観点から軌道を見ると,従来のラジカルは励起状態で高いキノイド性の発現が示唆された.一方で,ホウ素安定化ラジカルは,電子励起に際して構造変化は小さいことが確認され,このことが溶媒の極性への応答性が小さいことに寄与していると示唆された.
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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