明治40年代の文教施策における転換と継承――言語・文学・音楽・歴史・道徳
Project/Area Number |
19K00108
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01040:History of thought-related
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
鈴木 啓孝 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 准教授 (20803711)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 日本史 / 思想史 / ナショナリズム / 唱歌 / 錦絵 / 植民地 / 邦楽 |
Outline of Research at the Start |
国定教科書の改訂、国語(標準語)の制定、唱歌の編纂、邦楽の復興――明治40年代、文部省が主導した文教施策が次々と具体化している。本研究は、文部省の構想になる文教施策が実現するに際し辣腕を奮った、時の東京音楽学校長・湯原元一と、その周辺人物を対象とした思想史研究を行うものである。教育学、国文学、国語学、音楽学という4つの学問分野の狭間に取り残された記録と記憶を発掘し、複数の関係者の思惑が絡み合いながら、複数の施策が次々と具体化していった過程を確認する。それによって、明治40年代の文教施策に関わる新たな知見を生み出したい。
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Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに引き続き、東京音楽学校校長兼小学唱歌教科書編纂委員長として編纂の総責任者の地位にあった湯原元一の所論分析を中心に、大正期に完成した『尋常小学唱歌』にまつわる思想史研究をおこなった。 開始5年目にあたる本年度、これまでの研究の集大成として、歌詞および絵画(印刷物)と歌曲(録音)という、視覚媒体と聴覚媒体の双方を織り交ぜた展示物を陳列する展示会を企画し、実現させた。具体的には、所属先の熊本大学が推進する「キャンパスミュージアム構想に関連する事業計画」に実施責任者として「きこえくる熊本の《歌》と《声》」と題した企画展の開催を提案し、同僚の人類学者たちが立案・制作した第2企画展「水俣の《声》に耳をすませる」とあわせて、第1企画展「国策の《歌》をともにうたう」を立案・制作し、同時開催に導いた。2023年9月28日から10月30日まで約1ヵ月の期間、五高記念館を会場とした展示会には、延べ約800名の来場者があり、大変盛況だった。学外からの一般来館者も数多く、当該科研費を活用して得られた学知を地域社会に還元することができたものと考える。 なお、開催期間中の2023年10月21日、熊本大学に韓国日本近代学会第47回国際学術大会を招致し、大会実行委員長として運営を取り仕切った際に当該企画展のことも周知させた。英語訳と韓国語訳を併記し、国際的展開を視野にいれた展示物は、同学会の会員である日韓両国のさまざまな分野の研究者たちに大きなインパクトを与えることができたものと考える。 このほか、2023年5月20日に開催された韓国日本近代学会第46回国際学術大会で「2つの歌舞伎論─第2次大戦後の文化史学の展開」と題した日韓両言語での研究成果報告、2023年11月12日に開催された日本思想史学会2023年度大会で「詔書と唱歌」と題した口頭発表をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究の成果発表として、本年度は企画展の立案制作と実施運営に注力した。また、国内研究会での報告を1回、韓国で開催された国際学会での報告を1回おこなったが、これらの成果発表をいまだ論文として公刊することができていない。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間をさらに1年延長し次が最終年度となる。前年度に記載した通り、当該研究の集大成として単行本の執筆と公刊を実現できるよう尽力する。
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Report
(5 results)
Research Products
(12 results)