ジェイムズ・ミルと哲学的急進派:功利主義をめぐる知の布置とネットワークの分析
Project/Area Number |
19K00122
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01040:History of thought-related
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Research Institution | Tokyo Keizai University (2022) Waseda University (2019-2021) |
Principal Investigator |
川名 雄一郎 東京経済大学, 経済学部, 准教授 (20595920)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 功利主義 / 哲学的急進派 / 古典的功利主義 / ジェイムズ・ミル / 人間観 |
Outline of Research at the Start |
本研究では古典的功利主義者(哲学的急進派)の知的営為をジェイムズ・ミルを中心とした思想的・人的ネットワークという枠組みの中で捉え、様々な思想家によって担われた多様な諸理論からなる包括的な知の複合体としての古典的功利主義の多様性と統一性を明らかにする。研究に際しては、①コンテクスト主義的なテクスト読解と②統計・系統分析という人文情報学的手法の2つの方法を組み合わせて、文献実証的に古典的功利主義思想の歴史的再構成をおこなう。 具体的には以下の3つのトピックについて検討する。①「自己利益優先」モデルの内実と基礎づけ、②哲学的急進派によるトマス・ホッブズの思想の受容、③哲学的急進派と経済学。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大によってここ数年難しかった研究活動(特に国内外の資料所蔵機関・研究機関を訪問しての資料収集・分析)が、一部制限がありながらも研究期間の最終段階に可能になったことによって、最終年度の研究成果のとりまとめ作業をある程度進めることができるようになり、2023年2月にロンドンのブリティッシュ・ライブラリー他で資料の調査・収集をおこなった。 具体的には、以下のトピックに関する資料について作業をおこなった。 1、19世紀前半のイギリスにおいてはトマス・ホッブズへの関心の急速に高まり、「ホッブズ・リバイバル」と呼ばれる状況が生じていた。これに重要な役割を果たしたのが哲学的急進派であった。そこで、哲学的急進派によるホッブズ再評価の特質を分析することを通じて、自己利益優先的人間観の嚆矢としてのホッブズ政治学の19世紀イギリス思想史における意義を明らかにするとともに、自己利益優先的人間観と功利主義の結びつきについて再考している。 2、哲学的急進派の議論の中で、経済学に関する用語や言説がどれくらいの頻度で現れているかを人文情報学的手法も用いて分析し、その結果をテクストの内在的分析を組み合わせることによって、経済学へのコミットメントが彼らの知的営為においてどの程度重要であったのかを明らかにする。そして、経済学という新しい知的体系が19世紀初頭のイギリスの言説空間の中でどのような役割を担っていたのかについても分析している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症拡大のために、研究に不可欠な他研究機関の訪問・利用に大きな支障が生じ、研究を満足する形で遂行することが困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年にはいり、新型コロナウイルス感染症による研究活動の制限がなくなりつつあり、2023年度には必要な研究の遂行がほぼ支障なく可能となると想定している。そこで、当初予定していた研究計画のうち重要性の高く実施が可能な課題から優先的にとりあげて、研究成果をまとめていくつもりである。
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Report
(4 results)
Research Products
(2 results)
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[Book] 論理学体系 42020
Author(s)
J.S.ミル/江口 聡・佐々木 憲介 編訳
Total Pages
452
Publisher
京都大学学術出版会
ISBN
9784814002429
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