Project/Area Number |
19K00203
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01060:History of arts-related
|
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
平井 章一 関西大学, 文学部, 教授 (30640255)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | アンフォルメル / 抽象表現主義 / 具体美術協会 / 美術運動 / 戦後美術 |
Outline of Research at the Start |
第二次世界大戦後まもなくフランス人のミシェル・タピエが構想した美的概念「アンフォルメル」にもとづく作品群は、1956年に日本に紹介されるや美術家に衝撃をもって受けとめられ、美術界にセンセーションを巻き起こした。 本研究では、海外所蔵のタピエ旧蔵資料調査、国内所蔵の「アンフォルメル」に関連する資料調査、当時「アンフォルメル」の受容に深く関わった日本人関係者への聞き取り調査、国内外で所蔵されている日本人美術家の「アンフォルメル」関連作品の調査により、日本美術において「アンフォルメル」が果たした役割や「アンフォルメル」の今日的意義を考察する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、コロナ禍で中断を余儀なくされていた海外での資料調査を行った。具体的には1月21日から29日にかけて、フランス、トゥールーズの近現代美術館アバトワールに赴き、同館が所蔵するパリにあったスタドラー画廊のアーカイブを調査した。 スタドラー画廊は、1950年代にミシェル・タピが顧問を務め、彼が選抜した美術家の個展や彼が企画したテーマ展を開催した、いわば「アンフォルメル」の拠点ともいうべき画廊である。 アバトワールが所蔵する資料は、主にスタドラー画廊での展覧会の記録写真と新聞等に掲載されたそれら展覧会の批評記事、美術家などと交わされた書簡類から成り、タピエが第二の拠点としてイタリア、トリノに開設した国際美学研究所の資料も含まれていた。 その総体は予想以上に膨大なものであったが、今回は本研究のテーマを踏まえ、日本人の美術家や評論家などの関係を示すものに限って調査した。その結果、日本では入手不可能なアンフォルメル関連の資料を収集することができただけでなく、画廊主のルドルフ・スタドラーが、タピエとの関係が終焉した後も1990年代の閉廊まで、長今井俊満、白髪一雄との交流を維持していたことも判明した。帰国後はこの時の調査で得た情報や資料を整理した。 また、昨年度のパリ、ポンピドゥ・センターでのアーカイヴ調査の成果を美術史学会、関西大学芸術学美術史学会で発表するとともに、日本人画家による「アンフォルメル」関連作品の所在調査、日本での「アンフォル」の資料収集も、昨年度から継続して行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度に引き続ぎ、本研究の中心的な課題であった海外での調査を実現することが出来たが、目的地であるトゥールーズで夏にラグビーのワールドカップが開催されたことから、航空運賃や滞在費の高騰、現地での混雑を避けるため、本務校の春の休暇期間に渡航することになった。そのため、帰国後の収集した資料の整理に時間を要し、年度内に書簡の内容の読解と分析までには至れなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
幸いにしてさらに1年の研究期間の延長が認められたので、2024年度は総括の年として、まずは昨年度に積み残した海外でのアーカイブでの収集資料の分析を優先的に行いたい。また、コロナ禍で延期していた「アンフォルメル」関係者へのインタビューの実現にもつとめ、最後に、関西大学またはオンラインでのシンポジウムを行いその結果を報告書にまとめるか、もしくは関西大学芸術学美術史研究学会の電子ジャーナルにおいて、本研究成果を論考の形で発表する予定である。
|