Project/Area Number |
19K00336
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02010:Japanese literature-related
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Research Institution | Kansai Gaidai University |
Principal Investigator |
牛 承彪 関西外国語大学, 英語国際学部, 教授 (20460842)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 歌 / 歌掛け / トン族 / マンカイ / 囃し田 / 田植儀礼 / 比較研究 / 歌謡 / 儀礼 / 比較文学 |
Outline of Research at the Start |
歌掛けという歌謡の対唱形式は東アジアに特徴的にみられる。その発生や伝承には人々の生活様式や習俗・信仰などが土台になっている。本研究は、儀礼という特殊な時空間における歌の掛け合い習俗に焦点を当て、文学・音楽学・文化人類学・民俗学などを含めた多分野からの総合的考察と日中間の比較という二つの方法を用いて調査・研究を進める。対象は、 日本では奄美諸島の祭祀行事における歌舞のなかに濃厚に伝承されている歌掛け、中国では生活全般に歌が浸透している西南少数民族トン族の歌掛けである。両国の事例を相互補完的に考察し、儀礼と歌謡との関係を構造的、論理的に分析することによって歌掛け、及び歌謡の本質に迫る。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は以下の実地調査を行った。 ①中国貴州省錦屏県平秋鎮石引村の「上桃園」習俗をめぐる調査(期間は2023年8月20日から9月3日)。「上桃園」は旧暦7月10日から7月15日までの期間中、祖先を迎える「七月半」(中元節)行事のなか、脱魂状態になって「桃園」(冥界に近似する異空間)に旅する習俗である。その過程において、冥界へ旅する者はその場にいる者、または冥界の者との間で歌の掛け合いを展開されるが、実質的には歌掛けによって、「桃園」の旅が次から次へと推進される。可能な限り、生態を明らかにし、関係事情を調べた。 ②鹿児島県奄美市龍郷町秋名の「平瀬マンカイ」の調査(期間は2023年9月22日から26日)。「平瀬マンカイ」は豊年祭の期間中、ノロをはじめとした集団が稲霊を招く行事である。この過程で、海辺の「神平瀬」の岩に立つノロ5人と「神童平瀬」の岩に立つ7人の男女の間で歌掛けが展開される。歌掛けによって稲霊が招かれるという構造をなしている。「平瀬マンカイ」と密接な関係を持ち、また同じく稲霊を招く行事である秋名の「ショチョガマ」についても調査を行った。③奄美市笠利町の「節田マンカイ」をめぐる調査(期間は2024年2月9日から12日)。この行事は同じく「マンカイ」という表現を持ち、同じく歌掛けを行うものである。④広島県安芸高田市来原の「原田はやし田」をめぐる調査(期間は2023年5月27・28日)。⑤広島県山県郡千代田町の「壬生の花田植」をめぐる調査(期間は2023年6月2日から6月5日)。この二つは中国地方の「囃し田」と呼ばれる行事で、サンバイと呼ばれる音頭と早乙女との間で歌掛けが展開する。サンバイは田の神の呼称でもあり、田の神と田の神に仕える早乙女との間で展開する歌掛けになる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
コロナによる制限が解除され、民俗行事も従来通り行うようになり、現地調査を実施することができた。映像・画像・音声による資料収集を行い、調査内容をめぐってインタビューを行った。またこれらの資料の文字起こし作業も順調に進むことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
音声資料の文字起こし作業を続け、最終的には研究成果をまとめて『調査研究報告書』を作成する。
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