Project/Area Number |
19K00360
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02010:Japanese literature-related
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Research Institution | Hijiyama University |
Principal Investigator |
山崎 真克 比治山大学, 現代文化学部, 教授 (10342544)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 佐太神社 / 出雲歌壇 / 人的交流 / 出雲文化圏 / データベース |
Outline of Research at the Start |
本研究は、佐太神社文書和歌関係資料を対象に、江戸期出雲歌壇での活動状況と人的交流の実態を調査・分析することで、出雲文化圏の実態解明に資することを目的とする。佐太神社文書の書誌情報をデータベース化し、既に構築した「江戸後期出雲歌壇を構成する歌人データベース」を拡充した上で、佐太神社宮司その他神職の人々による和歌詠草や、松江藩主および歌壇の指導者的存在との交流実態を示す資料等の詳細な調査・収集および内容分析を通して、多様な身分階層の無名歌人たちが持つ、和歌に対するひたむきな想いに根ざした相互交流の実態を解明し、近世和歌史上に位置付ける。
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Outline of Annual Research Achievements |
佐太神社先代宮司朝山晧氏(1895~1957)の出雲国に関する研究業績の調査の一環として、朝山晧氏が書写に関わった椎の本花叔編『雲陽人物誌』本文について引き続き検討を行い、草稿本の形跡が認められる島根県立図書館蔵本をはじめとした諸本に基づく校本作成の準備作業を継続した。 佐太神社文書のデータベース化作業に基づき、佐太神社宮司その他神職の人々による和歌詠草を中心に、出雲歌壇での活動状況がうかがわれる資料の内容分析を継続して実施した。歴代の佐太神社宮司の和歌詠草のうち、朝山晧氏が『朝山芳房報賽百首和歌集』(昭和28年〈1953〉11月)と題して活字翻刻されている朝山(勝部)芳房『百首和歌』や、蘆田耕一氏が『重要文化財 佐太神社-佐太神社の総合的研究-』において翻刻紹介された『神始言吹草』(正徳元年〈1711〉6月刊)など、佐太神社および周辺地域の神職、松江藩家老、伯耆国人や僧、京・大阪在住の著名歌人の歌が含まれる資料により、出雲歌壇での人的交流の実態について引き続き考察した。 また、さまざまな年代の江戸期出雲歌壇の活動状況がうかがえる資料として、昭和初期に松平直亮氏から佐太神社を含む松江市内の寺社に寄贈された松江藩主家に関わる古典籍等の佐太神社文書以外についての調査・資料収集、内容分析を行うために情報を整理した。 これまで継続して行ってきた作業により、本研究で扱う資料の全体像の把握と、検討の中心に据える資料の絞り込みが可能となった。また、絞り込んだ資料の個別の分析を通して、佐太神社文書から見出せる結果を考察し、佐太神社文書以外の資料も検討材料に加え、既に構築した「江戸後期出雲歌壇を構成する歌人データベース」と照らし合わせて、出雲歌壇での活動と人的交流の実態の解明につなげた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
椎の本花叔自筆資料である島根県立図書館蔵『雲陽人物誌』と、いずれも朝山晧氏書写本を転写した島根大学附属図書館桑原文庫蔵本・大阪市立大学森文庫蔵本の2本との本文異同を確認することで、『雲陽人物誌』本文の位置付けが明確となり、校本作成の準備を継続して行うことができた。 朝山晧氏『朝山芳房報賽百首和歌集』(昭和28年〈1953〉11月)と題して活字翻刻されている朝山(勝部)芳房『百首和歌』や、蘆田耕一氏が『重要文化財 佐太神社-佐太神社の総合的研究-』において翻刻紹介された『神始言吹草』(正徳元年〈1711〉6月刊)などを用いることで、佐太神社および周辺地域の神職、松江藩家老、伯耆国人や僧、京・大阪在住の著名歌人など、出雲歌壇での人的交流の実態について考察するための基礎的な情報の整理を引き続き行うことができた。 また、さまざまな年代の江戸期出雲歌壇の活動状況がうかがえる資料として、昭和初期に松平直亮氏から佐太神社を含む松江市内の寺社に寄贈された松江藩主家に関わる古典籍等の佐太神社文書以外について調査・資料収集、内容分析を行うために情報を整理することができた。 ただし、新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響により、今年度も佐太神社文書を中心とした出雲歌壇に関連する資料の新たな調査・収集、情報収集を目的とした学会・シンポジウム等への参加ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
椎の本花叔編『雲陽人物誌』について、既に私家版として刊行している島根県立図書館蔵本と、朝山晧氏書写本・島根大学附属図書館桑原文庫蔵本・大阪市立大学森文庫蔵本との本文異同を整理し、草稿本に対し加筆・修正された最終本文を確定することで、校本として刊行する。 また、佐太神社宮司その他神職の人々による和歌詠草を中心に、出雲歌壇での活動状況がうかがわれる資料の内容分析を引き続き行う。朝山(勝部)芳房『百首和歌』をはじめ佐太神社宮司と歴代松江藩主および歌壇の指導者的存在との交流実態を示す資料や、佐太神社および周辺地域の神職、松江藩家老、伯耆国人や僧、京・大阪在住の著名歌人の歌が含まれる『神始言吹草』(正徳元年〈1711〉6月刊)等により、出雲歌壇での人的交流の実態を考察する。 さらに松江藩主家に関わる古典籍等、佐太神社文書以外のさまざまな年代の江戸期出雲歌壇の活動状況がうかがえる資料の調査・資料収集および内容分析を行い、出雲文化圏における佐太神社文書の位置付けを図る。 そして、本研究で扱う資料の全体像の把握と、絞り込んだ資料の個別の分析、また佐太神社文書以外の資料も検討材料に加え、既に構築した「江戸後期出雲歌壇を構成する歌人データベース」と照らし合わせて、最終的に出雲歌壇での活動状況と人的交流の実態の解明を行う。
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