Project/Area Number |
19K00444
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02030:English literature and literature in the English language-related
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
久保 拓也 金沢大学, 学校教育系, 准教授 (80303246)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2019: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | アメリカ文学研究 / マーク・トウェイン研究 / 男性性研究 / アーカイヴ調査 / アーカイブ / アメリカ文学 / ジェンダー学 / マーク・トウェイン / ウィリアム・ディーン・ハウエルズ / 「失敗」・「失敗作」の考察 / 障がい学 / 障害学 / アメリカ文化史 / 男性学 / リアリズム文学 |
Outline of Research at the Start |
本研究はいわゆる「負け組」の人々と社会の関係を19世紀から20世紀の米文学の中で考察する試みです。社会には常に「規範」というものが存在しますが、人々を「矯正」しようとするその力と、その規範に反したーあるいは適応出来なかったー人々の関係を、庶民の視点から社会を「写実的」に描いた作品の中に考察していきます。「弱き人々」を考察するために「ジェンダー学」と「障がい学」の視点を用いますが、そこから見える彼らの「多様性」は実は「強者」や「成功者」などのそれを種類と色彩において凌駕する強かさで米国を彩ってきました。本研究はその「弱き人々」が小さな声で語ってきた壮大な物語を明らかにすることを目指します。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度には、当科研費研究の中心テーマとしている19世紀から20世紀のアメリカにおいて様々に表象された「弱き男性像・男性性」について、一次資料、当時の文学作品、歴史的な考察やさらには理論的研究を含む二次的資料をなどの各種文献の精査・考察などを通じ、課題の研究をさらに進めることができた。研究には予定よりも若干の遅れが発生しているが、次年度の国内学会での研究発表を含む、いくつかの成果発表にむけて準備が進んでいる。今年度の成果としてはカリフォルニア大学バークレー校に設置されているマーク・トウェイン・プロジェクトの編集者、ベンジャミン・グリフィン博士にインタビューを行い、その内容をまとめたものを発表できたことなどが挙げられる。これは当研究において中心となっている作家であるマーク・トウェインの代表作でありながら、これまで長くテクスト上の問題についての議論が止まず、決定版が出版されていなかった後期の小説_Pudd'nhead Wilson_ (1894)の、未出版・未発表草稿や詳細な注釈・資料を含む完全版がカリフォルニア大学から出版されることに関するものとなっている。グリフィン博士が行ったテクスト構築や各種の学術的調査、最終的な編集に至るまでの過程を詳細に伺ったものである。筆者がまとめたその成果は日本マーク・トウェイン協会が発行する学会誌(国際英文誌)に博士と筆者の連名で掲載されることとなった。なお、当研究はこの作品の日本語訳の出版を視野に収めており、その準備も順調に進んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究進捗には若干の遅れを来している。新規の資料の入手や、これまでに入手済みの資料の精査などの作業は順調に進んでいるが、海外学会における研究発表や論文発表など、成果を発表することにおいて十分ではなかった。そのため、当補助金給付による研究期間を1年間延長することとした。令和5年度は新規書籍の購入などに対して予算執行をおこない、海外の大学図書館の訪問による資料入手や協力関係にある研究者との打ち合わせ、また学会における研究発表や論文の準備を進め十分な研究成果を発表できるよう努める。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は研究発表や研究論文の準備を進めるとともに、出来るだけ早い時期に海外大学図書館を訪れ、資料の収集と分析や協力関係にある研究者との研究打ち合わせ等を行う。現在のところ、カリフォルニア大学図書館の訪問と当地での研究打ち合わせ、日本アメリカ文学会全国大会シンポジウムでの当研究の成果の発表などが予定されている。それらに向けて準備を進めるのはもちろん、さらなる成果発表が可能となるよう準備してゆく。
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