Project/Area Number |
19K00452
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02030:English literature and literature in the English language-related
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
田邉 千景 学習院大学, 文学部, 教授 (10316812)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2021: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | アメリカ文学 / 感傷小説 / ジェンダー / ヘンリー・ジェイムズ / ルイザ・メイ・オルコット |
Outline of Research at the Start |
アメリカ感傷/家庭小説が、アメリカ近代リアリズム小説の形成にどのような影響を与えたのかを考察するにあたり、顕著かつ検討にふさわしい事例としてルイザ・メイ・オルコットとヘンリー・ジェイムズの影響関係を分析する。従来のヘンリー・ジェイムズ研究では、アメリカの感傷/家庭小説から受けた影響について詳細に論じられることがなかった。そこで本研究ではこの二人の作品を比較検討することで、アメリカ文学史のミッシングリンクともいえる感傷/家庭小説から近代リアリズム小説への展開を明らかにすることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究プロジェクトは、ルイザ・メイ・オルコットとヘンリー・ジェイムズの影響関係を分析することによって、アメリカ感傷/家庭小説がアメリカ近代リアリズム小説の形成に与えた影響を明らかにすることを目指している。本年度は昨年度までに収集した書簡等の資料の分析を続けるとともに、夏期休暇期間を利用して、ニューイングランド地区並びに南カリフォルニア地区において資料収集を実施した。オルコットとジェイムズだけでなく、ハリエット・ビーチャー・ストウ、スーザン・ウォーナー、イーディス・ウォートンなどの同時期の関連作家に関する資料も収集することで、より多角的な視角から感傷/家庭小説の展開について検討するとともに、分析対象時期についても、いままでよりも長い期間をとって考察するためである。それによって、オルコットを始めとする女性作家の作品にも、のちにジェイムズが確立したといわれている心理的なリアリズム描写に類似した描写があるという新しい知見をより発展させ、近代リアリズム小説、またそれ以降のモダニズムにおける意識の流れのような心理描写の素地は、ジェイムズよりも前の女性作家の感傷/家庭小説に見出すことができるのではないかという理解に至った。 次年度は、前年度においてコロナ禍の影響が完全に払しょくされていなかったために、コロナ前よりも海外における資料収集に時間を要したために収集できなかった資料を収集するために米国において資料調査を実施し、上記の視点からさらにオルコットを含めた女性作家の作品の心理描写のリアリズムについてさらに分析を進めることをめざす。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍においてリサーチが不可能になっていた海外の文書館はオープンしたとはいえ、コロナ前と異なり、事前予約や混雑をさせるための新たな規則が設けられ、申請時において想定したスピードでの資料収集が難しくなったことから、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、コロナ禍のため遅れている海外の資料調査を行う。また、近年急速に進みつつある資料のオンライン上の公開を資料して、遅れを取り戻す予定である。
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