動物表象の統合的分析―文学文化・哲学・歴史による学際的研究の基盤構築
Project/Area Number |
19K00470
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02040:European literature-related
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
大原 志麻 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (80515411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安永 愛 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (10313917)
今野 喜和人 静岡大学, 人文社会科学部, 名誉教授 (70195915)
花方 寿行 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (70334951)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 動物表象 / タロットカード / 児童文学 / シンボリズム / 山羊 / きつね / うさぎ / 悪魔化 / ペルー文学 / ミラン・クンデラ / 北川民次 / タロット / メキシコ壁画運動 / ヴァレリー / 先住民 / フランス文学 / ラテンアメリカ文学 / ヨーロッパ史 / アダプテーション / スペイン史 / 中南米文学 / ヨーロッパ文学 / ヨーロッパ文化史 / 自然観 / ポストコロニアル / ジェンダー |
Outline of Research at the Start |
古来より人間と最も近い他者であった動物について何かを表現することは、あらゆる地域で行われてきたが、動物表象が人文諸学において分析対象として注目されるようになってきたのはごく最近のことであり、1950年代以降ジェンダー批評、ポストコロニアル批評など、支配的言説から疎外した「他者」に焦点を合わせる研究の隆盛に結びついて以降の比較的最近のことである。本研究では、これにかかわる最も重要な学問領域である歴史・哲学・文学を統合的に扱うことで、動物表象研究の基盤形成を行うものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
2021年度に引き続き、西欧世界の動物表象をタロットカード、日本における児童文学を題材に紐解いた。タロットは本来ルネサンス期のイタリアで生まれた遊戯用カードだが、18世紀後半以降、図像の中で古代以来の様々な神秘思想が表現されていると誤って見なされるようになった。そこに描かれている複数の動物たちも、伝統的なシンボリズムに新たな意味づけが加えられ、現代に至るまで無数のアダプテーションが加えられている。図像学、絵画史、文学史、思想史との関わりで、その変遷を辿る作業を行った。また羊を象徴とするバッカスとディオニュソスがヨーロッパのキリスト教化の過程でどのように悪魔化したのかをワインの両義性と絡めて考察した。動物と人間との関係を児童文学における表象からみていき、くま、キツネ、うさぎの擬人化から読み継がれる作品の功罪についてまとめた。なお厳密な意味では動物表象を扱うものではないが、2023年2月7日にペルー・カトリカ大学 東洋研究所主催オンライン連続講演会"Cambio climatico: una mirada cultural desde Japon"(気象変動・日本からの視点)第2回として行った講演"El cambio climatico en el tiempo de Sekai-kei (Historias de Mundo-Yo): Meditaciones sobre la pelicula Tenki-no Ko (Tiempo contigo) de Makoto Shinkai"(「セカイ系」の時代の気象変動――新海誠監督『天気の子』をめぐる思索)(招待講演・スペイン語)では、エコロジーと孤立化の進んだ現代社会の問題を論じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度についてもパンデミックの影響で対面での研究会や学会参加の予定を立てることが難しく、またフィールドワークに出られなかったため、国内での資料収集に活動が制約された。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度に向けて、山羊の悪魔化についてテンプル騎士団が異端審問の際に崇拝したと考えられていた山羊の姿をしたバフォメットをディオビュソス・バッカス崇拝とタロットカードの結節点とし、ヨーロッパにおける山羊の表象を体系化したい。またタロットはエジプトの神の叡智が伝来したものとされているが、古代エジプトを専門とする研究者と共同研究を行い、ヨーロッパに動物表象研究を深化させたい。
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Report
(4 results)
Research Products
(16 results)
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[Journal Article] 北川民次作品におけるバッタの表象2021
Author(s)
ラウラ・ゴンサレス イ・マトゥーテ, 花方 寿行
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Journal Title
人文論集
Volume: 72
Issue: 1
Pages: 35-43
DOI
NAID
ISSN
02872013
URL
Year and Date
2021-07-30
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Open Access
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