フランス16世紀前半の架空譚における建築描写の研究
Project/Area Number |
19K00504
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02040:European literature-related
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岩下 綾 慶應義塾大学, 法学部(日吉), 准教授 (40633821)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 描写技巧 / フランスルネサンス建築 / 架空譚 / 描写 / 王の入市式 / 16世紀フランス / ラブレー / フランス / 16世紀 |
Outline of Research at the Start |
近年、ルネサンス期の建築描写に国際的な関心が寄せられている。当時の先進国イタリアの影響を積極的に受け入れたフランス16世紀前半の架空譚を中心に、フィクションとしての建築描写が果たした政治・思想的役割を、文学研究の側から探っていく。この作業を通して、俗語フランス文学における建築描写の萌芽から16世紀後半の流行へと至るメカニズムを、文学史の流れの中で捉えることを試みたい。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題4年目となる2022年度は、引き続き資料の読解を進めると同時に、主に国外でのフィールドワークを含めた資料収集と、研究結果の執筆、口頭発表と学術集会の組織を行った。 文献読解と資料収集に関して、読解を継続するためにこれまでに作成したリストの一部を精査し、不足する資料を収集した。同時代の政治的動向を考慮した上で、コーパスで言及されるフランス国内の史跡のうち、特に文章技巧理論に深く関わる節を採り上げたリストをもとに、実地調査を行い、地形・地名の変遷を確認し、現存する史跡とテキストとの照合、および同時代の文献の叙述との照合を行った。それらの結果の一部を論文として発表した。本研究課題最終年度に向けて、文学と建築及び造形芸術との関連領域文献の分析とまとめの作業を進めた。 また2つのオンライン学術集会を開催した。1つは16世紀フランス文学研究グループの会合の枠組みで、日仏の16世紀フランス文学研究者にご参集いただき、各々の関心領域に関する研究発表と討論のための集会を開いた。今後の日仏研究交流の機会として継続していく予定である。2つ目は、国際ルネサンス研究連合団体とともに漫画をテーマとしたセッションを組織した。学問とその普及の問題は本団体が継続して取り組んでいるテーマで、本セッションはその一部となる。本セッションにはフランス、イタリア、日本から作者と研究者にご登壇いただき、ルネサンスという時代の表現方法とその可能性、学問の普及の可能性についての論点、さらには各国の独自性を具体的に確認することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
資料収集とフィールドワークに関しては、本年度フランス国内の史跡に的を絞って集中的に取材を行い、有力な資料、新たな視点を得ることができたため、過去2年の海外渡航が不可能だった時期に解決できなかった問題が大きく前進した。本年度はフランス国外への渡航ができなかったため、本研究課題に大きく関わるイタリアの建築物の取材が不足しているが、取材のための文献調査は順調に進めている。また学会開催の過程で、本研究課題の重要な先行研究を行う研究者との交流も深めることができ、最終年度の研究についての打ち合わせを行っている。テキスト読解と研究結果のまとめに関しては順調に進めており、発表も適宜行っている。以上の理由により、おおむね順調に進展していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究最終年度となる2023年度は、収集した資料と文献読解を引き続き進めると同時に、フィールドワークを継続し、適宜論文及び口頭で発表を行う。具体的には、本年度着手できなかったイタリアの建築物の取材と、フランスの権力者の邸宅、教会等の取材を行い、建築物を軸としながら、装飾美術、工芸品、およびその土地の想像上の産物(伝説の生き物や伝承など)を視野に入れて、物語の架空性を考察し、論文にまとめる予定である。 また、オンライン環境を活用しながら、本研究課題の総括を行うための対面での学会を、フランスの大学とともに開催予定である。本年度の開催学会とともに、今後の国際的な研究交流手段の一つとして16世紀研究者ネットワークの構築に貢献したい。
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Report
(4 results)
Research Products
(12 results)