Project/Area Number |
19K00540
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02060:Linguistics-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
清水 誠 北海道大学, 文学研究院, 特任教授 (40162713)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | ドイツ語 / ゲルマン語 / 歴史言語学 / 言語類型論 / 文法性 / 格 / オランダ語 / 類型論 |
Outline of Research at the Start |
従来の日本のドイツ語学研究は標準ドイツ語の枠内で行われ、類型論的視点も英語と日本語にほぼ限られ、歴史言語学的視点もまた高地ドイツ語を超えることは稀だった。申請者はこうした偏向に疑問を抱き、ゲルマン諸語の記述的研究に取り組んできた。記述が進んでいるドイツ語では、共通性の高い関連言語との精密な比較によってこそ、その特徴がさらに明らかになると考えられる。本研究は申請者の研究の集大成として、文法化、脱文法化、外適応など、最新の言語類型論および歴史言語学の方法論を積極的に取り入れて、ゲルマン語類型論の視点から洗い直した現代標準ドイツ語の構造記述を行い、その成果を学術書として結実させることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究4年目にあたって、論文(単著)3点、図書 (単著)1点を刊行し、研究発表を1点行った。 論文「ドイツ語から見たゲルマン語 (8)―不定詞と分詞―」では、古ゲルマン諸語の不定詞の形態論的特徴を概観し、その後の変遷を経て現代ゲルマン諸語に至る過程を多数の関連諸言語および諸方言をもとに、実証的に跡づけた。これに続く論文「ドイツ語から見たゲルマン語 (9)―動詞の強変化と弱変化、ウムラウト、人称語尾―」は、動詞の活用の中心をなす3つのテーマを選び、ゲルマン祖語の推定形を交えて、古ゲルマン諸語から現代ゲルマン諸語に至る発達について考察した。さらに、その中から強変化動詞の分類と母音交替をめぐって、論文「ドイツ語から見たゲルマン語 (10)-強変化動詞、過去現在動詞、母音交替―」を執筆した。いずれも文学作品からも用例を引用し、音楽との関係にも言及して、歌曲などの分析も織り交ぜた。その結果、文献資料では論証しにくい要因を指摘することができた。以上の3論文は、本研究の最終トピックである動詞についての前半部分にあたる。 著書『ゲルマン語歴史類型論』は勤務先の北海道大学大学院文学研究院の出版助成金を取得し、出版経費の全額をまかなって刊行した単著である。これまでの科研費による研究成果の一部をまとめたもので、属格と所有表現、形容詞変化、西フリジア語の「割れ」と短母音化、接頭辞動詞、名詞抱合と関連表現、北ゲルマン語の後置定冠詞についてゲルマン語歴史類型論の視点から扱っている。 研究発表「ドイツ語から見たゲルマン諸語の属格修飾語と所有表現―言語の発達サイクルとリサイクル―」は、脱屈折化を進めた中世以降のゲルマン諸語が属格を脱文法化し、再述所有代名詞構文の文法化との競合を通じて、所有関係を基本とする名詞句間の表現形式を求め続けた過程を検証したもので、上記著書の第1章の一部に相当する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」に記したように、論文(単著)3点に加えて、学術書(単著)1点を刊行することができたことは、大きな成果として位置づけることができる。論文で扱ったのは、目標としていた分析対象の最終部分である動詞に関するトピックの前半部にあたり、順調な進展を示していることを物語っている。また、著書『ゲルマン語歴史類型論』は、これまでの成果を単著の学術書として、最終年度に先駆けて、北海道大学出版会から刊行したものである。その際、出版経費を全面的にカバーするだけの出版助成金を申請し、無事に獲得することができたことは、本研究のこれまでの成果が評価された事実を反映していると理解できる。本格的な学術書の出版がますます困難になりつつある現在にあって、本書の出版の意義はけっして小さくない。 加えて、新型ウイルス感染症の蔓延がようやく下火になり、2年ぶりに対面開催された日本独文学会春期研究発表会(立教大学)において、久しぶりに出張旅費を活用することによって、研究発表を行うことができた。この発表は、内容的に上記の著書の第1章の一部に相当する。ただし、計画していた海外出張に関しては、知人の中に旅行中に航空機内で感染した例が見られたなど、なお予断を許さない状況にあったために、大事を取って控えざるを得なかったのは残念である。 さらに、研究業績として発表した3編の論文によって、これまで発表した論文7編に加えて、あわせて連載は10編を数えることになった。現在、近日中に締め切りが予定されている11編目の論文も、順調に執筆中である。最終年度を控えて、残りの本数をまとめた全体の研究成果は、上記の著書とは別に、新たに単著の学術書として刊行できる可能性がいっそう高まってきた。 以上の理由に鑑みて、「当初の計画以上に進展している」と総括できるものと判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、これまでに10編の論文として発表した「ドイツ語から見たゲルマン語」の続編を引き続き連載し、単著の単行本として刊行したいと考えている。そためには、動詞の残りの部分と文の構造に関する部分をカバーする必要がある。具体的には、「過去形と完了形、時制・アスペクト・話法」、「不変化詞動詞(分離動詞)、句動詞、抱合動詞」、「接頭辞動詞(非分離動詞)と動詞接頭辞」、「進行形と不在構文、準抱合・疑似並列・複合連鎖」、「定動詞第2位と枠構造、動詞群の語順、従属接続詞(補文標識)の活用」が挙げられる。これをこれまで連載してきた『北海道大学文学研究院紀要』に掲載し、既発表分の10編をあわせ、他の論文も追加して、全体で22章の著書にまとめたいと考えている。 出版に際しては、現在、かねてから予定していた出版社と交渉中である。しかし、大きな問題として、総ページ数が当初の予想に反して大幅に増加してしまった点が懸念される。学術書の刊行がきわめて厳しくなっている現状にあって、出版経費の捻出は重要な課題と言える。そこで、勤務先の北海道大学文学研究院から一般図書の枠で出版助成を受けることを計画している。予定通り夏休み前に助成金が獲得できた場合には、年度内刊行が求められるので、かなりタイトなスケジュールになることが予想される。そこで、何よりもこの著書刊行に全力を傾注したい。『ゲルマン語歴史類型論』とあわせて、2つの著書を世に問うことができれば、本研究の当初の目標を上回る研究成果が上げることができ、日本のドイツ語学、ゲルマン語学への貢献もいっそう期待されることになる。 なお、言語と音楽の関係にも引き続き配慮していきたい。文献資料では論証しにくい韻律、アクセント、語順の問題を始め、いくつかの具体的な利点が期待できると考えている。そこで、言語学に加えて、部分的に音楽関係の資料収集にも努めていきたい。
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Report
(4 results)
Research Products
(17 results)