Project/Area Number |
19K00586
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02060:Linguistics-related
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Research Institution | Tsuda University |
Principal Investigator |
小野 創 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (90510561)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 日本語 / 非対格動詞 / 文理解 / 統語 / 統語論 / 心理言語学 / 非対格性 / 第2言語習得 |
Outline of Research at the Start |
多くの言語において、自動詞が2つのタイプ(非対格・非能格動詞)に分かれることが知られている。本研究では、非対格性を決定づける複数の要因を被験者による容認度調査から量的に検討する。また、一つの動詞が共起する表現によって非対格性を変化する際の処理負荷を事象関連電位計測から明らかにする。この本研究の結果は、実験統語論の成果になるだけではなく、言語の獲得への示唆、事象の理解に問題があるとされる自閉症スペクトラム障害の理解へも貢献する可能性がある。
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Outline of Annual Research Achievements |
これまで実施してきた実験の結果に基づいて、論文化の準備を引き続き行っている。「動作主の意図性」が非対格動詞・非能格動詞の決定に大きく効果を発揮するというのが本研究課題で分かったことの一つである。その影響について日本語以外の言語でどのような観察が得られているのかについて、本研究課題の中心的テーマである非対格・非能格性以外の観点からも再度整理することが重要だと考えた。たとえば、態に関する現象と動作主の意図性で関連しそうなものがないか、調査を進めている。そこから得られた知見をもとに論文中で議論できる点があるかどうか十分に検討を進めている。調査を進めたところ、本研究課題で検討したような「意図性」による効果は幅広い言語で検討されているわけではなく、十分に体系立てて取り組まれている要因ではないことが明らかになった。そのような状況であるということが確認できたのは一つの成果ではあるが、その理由についてはあまり明確なことがわかっていない。言語の類型論的な特徴に影響されているのか、それともアプローチの方向がそれぞれバラバラであるために偶然このようになっているのかについて情報を収集しているところである。このような場合は、類型論的に近い言語の間で並行的な探究が必要になると推定されるが、本研究課題だけでそれが行えるのかは未知数である。このような検討を通して多言語の特性が明らかになることで、それぞれの言語の個性のようなものが炙り出されてくることを期待している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度に比べて、新型コロナウイルス感染症による様々な制限が緩和された。それによりある程度研究が進めやすくなった部分があるが、リモートで多くのことを行わざるを得ないことにより、一つ一つの作業の進捗が思ったほど得られなかった。また、研究者同士の交流も以前程は回復しておらず、その点も影響があった。
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Strategy for Future Research Activity |
新しい実験を追加で実験するのではなく、論文執筆に向けて情報を整理し、全体をまとめることを目標にする。今後の新しい研究課題の設定につながることを目指して、現在他の言語で行われていることを整理し、見過ごされている可能性のある要因の発見の種になることを記録していく。
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