動詞終止形のモーラ音素化と撥音否定形による同音衝突に関する実証的・理論的研究
Project/Area Number |
19K00619
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02060:Linguistics-related
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
江口 正 福岡大学, 人文学部, 教授 (20264707)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2021: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2020: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2019: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 活用形態論 / 同音衝突 / 終止形のモーラ音素化 / 最適性理論 / 九州方言 / 関西方言 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、西日本、特に九州における動詞活用の特殊な性格:『古い二段活用が残る一方で新しく一段活用がラ行五段化する(「見ない」→「見ン」→「見ラン」)』という現象に着目したものである。古い活用と新しい活用が同居している原因について、西日本に広がる否定形「ン」と、九州でみられる動詞終止形の「ル」が「ン」になる現象とが同じ音になってしまい、否定か肯定かわからなくなってしまうのを避けるためであるという「同音衝突の回避」という仮説が立てられている。本研究はその仮説を調査によって実証し、さらにその実態を理論的に説明しようとするものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本課題は西日本方言に広く見られる否定の「ン」と、動詞終止形の撥音化との同音衝突とその回避について調査を行い、理論的な説明を進めることを目的にした ものであった。しかし2020・2021年度に引き続き、コロナ禍によって2022年度も予定していた方言調査がすべてキャンセルとなった。そのため、2022年度は新たなデータを元に研究成果を出すことができず、結果として研究実績はゼロになってしまった。この対応として、手元にある30年前の宇佐方言の談話録音データを精査して関連事象のデータをピックアップして調査を進めている。また、「日本語諸方言コーパス」を利用して九州各地の方言の文末表現を整理する作業も進めた。このコーパスは音声もついているため、詳細な研究が可能になり、実際の撥音化の様子もよくわかるようになった。 直接調査ができなかったかわりに、ゼミの学生およびそのご家族に協力を仰いで方言の調査を行い、佐賀市方言のの終止形の促音化と撥音化の条件を確認した。さらに関西・中国地方方言のコーパスも参照し、撥音による肯定と否定のバッティングの回避のあり方についての類型についてモデル化を進めている。2023年度は様々な形で収集したデータを整理し、研究成果を発表できるようにしていきたい。さらに、佐賀方言の調査では、活用体系の内部だけでなく、その体系が実際に談話の中で運用されるときに特徴的な分布を見せることもわかってきた。この観点からこれまでのデータを見直す必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度までは新型コロナウイルス感染対策のため、予定していた方言の臨地調査が全くできなかった。方言調査は老年層の話者を相手にするため、感染状況が比較的良くなった昨年度後半も、なかなか調査にOKが出なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
この5月から新型コロナウイルス感染症は五類感染症に移行し、十分に調査できるようになるため、予定されていた調査を実施する。九州内はもとより、関西、中国地方でも調査を行う予定である。これまで進めてきたコーパス調査による研究と隣地調査とを合わせて研究成果を出していく予定である。また、学会や研究会が対面で実施されるようになったことを利用して、各地の研究者と緊密に連携して情報を交換しながら研究を進めていく。
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Report
(4 results)
Research Products
(5 results)