言語バリエーションとしての方言文法の多様性を生む社会的・語用論的な要請の解明
Project/Area Number |
19K00646
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02070:Japanese linguistics-related
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
又吉 里美 岡山大学, 教育学域, 准教授 (60513364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 良一 岡山大学, 社会文化科学学域, 准教授 (80325068)
松丸 真大 滋賀大学, 教育学部, 教授 (30379218)
白田 理人 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (60773306)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 方言 / 文法 / 関西方言 / 琉球方言 / 対象研究 / 対照研究 |
Outline of Research at the Start |
社会のあり方に関わる言語形式としてダイクシスに注目する。ダイクシスに関わる研究対象には、指示詞、人称代名詞、移動表現、授受表現、敬語、ヴォイスなどがある。これらの各形式は自己と他者の視点を問題とし、社会のあり方を示す言語形式であると言える。本研究は琉球方言と関西方言とを対照しつつ、これらのダイクシス表現に関わる指示詞、人称代名詞、移動表現、授受表現、敬語、ヴォイス等の各表現において、「語用論的な要請」が各形式に及ぼす影響を解明し、その方言差が生じる要因を追究するものである。そして、方言の地域的な差は地理的要因や言語の内的変化のみならず、社会のあり方によっても形成されることを討究したい。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、社会のあり方のうち、言語の、特に文法形式に影響を及ぼすものを「語用論的な要請」と定義し、どのような「語用論的な要請」が、どのような文法形式に影響を与えうるかを解明することである。特に、本研究では社会のあり方に関わるダイクシス表現に注目して、複数の、従来は個別に扱われていた言語形式において表現差が生じる背景に共通の「語用論的な要請」が関わることを、関西方言と琉球方言を対照して、両方言間の差異を明らかにするべく調査・研究を進めることを当初の研究の目的としていた。しかし、covid19の影響によって、令和2年度(2020)以降、十分な臨地調査が実施できていない。令和3(2021)年度より、調査・研究の対象を指示詞を中心にして進めている。令和4(2022)年度は、津堅島(又吉里美)/白田理人(奄美大島/喜界島)において、調査をおこなった。 また、各人がこれまでに収集した調査データや補充調査をおこないながらデータ整理を進めているが、令和4年度もその方針を引き継ぎ、各人が指示詞に関する研究を進めた。主な研究実績の内容は下記のとおりである。 白田理人(2022.7.発表)は、北琉球奄美喜界島方言の人称代名詞と指示詞についての研究発表である。1/2人称代名詞が近称指示詞と複合すること、指示詞への人称代名詞の取り込みにおいて他言語とは異なっていることを主張した。堤良一(2022.12.発表)は、有標であるとされてきた「指示詞+固有名詞」の組み合わせを、格助詞「が」と現れる場合に絞って観察し、i) 状況から事態へ ii) 権利 iii) 話題、という用法を整理した。このうち、i・ii)は、指示詞の付与が義務的であり、iii)は義務的ではなく、これは、指示詞の指し方の違いであることを主張した。 その他として、松丸(2022)は関西方言の確認の表現「ヤンカ」の特徴についてまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
covid19の影響によって、臨地調査が行えず、全体的に調査・研究が遅れている。本研究が研究対象とするダイクシス表現については、場面や状況に依存するので、対面調査や臨地調査が望ましい。しかし、令和3(2022)年度においても、対面での調査が実施しづらい状況であった。以上の理由により、調査・研究が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題における今後の推進方策は以下のとおりである。 1)各方言における指示詞を中心としたダイクシス表現について、体系的な記述研究、理論的な研究について発表するとともに論文としてまとめる。 2)指示詞について関西方言と琉球方言とを対照し、両方言間の差異を見出すとともに記述研究発表および論文としてまとめる。 ただし、今年度も少なからずcovid19の影響はあるものと予想される。調査・研究が制限される中で下記の工夫を考えていく。①調査遂行に関して、遠隔での調査やオンラインでの調査を実施する。②既存のデータや談話資料などのデータおよび資料を活用しながら研究を遂行する。③オンラインでの研究活動を積極的に行い、研究を進められるように努める。
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Report
(4 results)
Research Products
(31 results)