A study of concrete-level constructions
Project/Area Number |
19K00657
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02080:English linguistics-related
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
大谷 直輝 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (50549996)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 認知言語学 / 構文文法 / 用法基盤モデル / コーパス言語学 / 構文化 / コーパス / 談話 / 心理実験 / 談話機能 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、コーパスを用いて具体レベルの構文(項構造構文、イディオム構文など) を多方面から調査をすることで、構文の言語的な記述に加え、構文のパラ言語的・非 言語的特徴づけ、心的実在性の確認、文化社会的基盤の考察を行う。また、コーパスを用いた定量的な意味分析モデルを精緻化したり、SNSやアンケートを用いた心理実験で、構文の実在性を検証するための方法論を提示する。さらに、コーパスを用いた実証的な方法論を中心として、用法基盤の言語学の学際的な研究を行うモデルを示す。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究計画の4年目である2022年度は、用法基盤モデルに基づく実証的な言語研究を行う方法論として3年目に引き続き、自然言語処理を取り入れた研究を継続すると同時に、構文的な知識の社会的な側面の研究を開始した。主な研究実績は以下の通り。第一に、言語処理学会にて、チュートリアルとワークショップに参加して、Bert等の言語モデルを人間が持つ言語知識に見立てることの有効性に関して検討を行った。第二に、日本認知言語学会において、構文文法の社会的な側面を探るワークショップに参加をして、均質的な言語知識ではなく、変化・変種・変異等を考慮した言語知識を探る重要性に関して検討を行った。第三に、日本英文学会にて、認知言語学の研究を実証的に行う方法論を自然言語処理の観点から検討するシンポジウムを行った。第四に、日本英語学会において、英語学が世界の個別言語に与える様々な影響を考察する特別公開シンポジウムを行った。また、企画を発展させ、シンポジウム後には、18組の研究グループに声をかけ、「言語研究に潜む英語の影響」という書籍の出版に向けた準備等を行った。第五に、雑誌『英語教育』(大修館)にて全6回の「授業に活かす 英語構文文法入門」の執筆を行い、教育の現場で教える教員向けに構文文法の理論的な知識を解説した。第六に、「実例で語る前置詞」(平沢慎也著)の書評を『英語研究』に執筆した。また、研究結果 を社会に還元するために、意味論・語用論に基づく「英語の文法」に関する連続講義(朝日カルチャーセンター新宿校、 13回)を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの研究がおおむね順調に進行していると考える理由は以下のとおりである。 1点目は、本研究の出発点となる「人間が持つ言語知識とはどのようなものであるか」を研究するための実証的な方法論を構築するための準備として、自然言語処理との学際的な研究が進展しているからである。学際的な研究を進めることで、2021年度と2022年度に自然言語処理学会で発表を行ったが、それらの研究が評価され、学際的な研究の方法論に注目をした、シンポジウム、チュートリアル、ワークショップに参加することとなった(日本英文学会(2022年5月)、言語処理学会(2023年3月)、日本認知言語学会(2023年、予定)、日本英語学会(2023年11月)、日本語文法学会(2023年12月))。2点目は、構文文法が果たして言語一般に当てはまる普遍的な議論であるかについて、考えるシンポジウムを企画したからである。ロシア語、ドイツ語、マレー語、ラマホット語、コイサン諸語の研究者と、言語を分析する普遍的なツールとしての英語額の概念を検討していくことで、英語を中心とした研究に潜むバイアスを検証した。また、研究を拡張し、18名の研究者と、書籍の出版を目指すプロジェクトを開始した。第3は、研究成果の社会的な還元を積極的に行ったからである。英語教員に広く読まれている『英語教育』(大修館)で、6か月にわたり「構文文法入門」の連載を行うと同時に、朝日カルチャーセンターでは13回にわたり意味論・語用論から見た英文法に関する講座を開講した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究は2022年度の研究を土台にして、より学際的・実証的な方向へ研究を進める予定である。第一に、「言語研究に潜む英語のバイアス」の出版に向けて、6月、9月、11月に三回のシンポジウムを開き、意見交換を行い、世界の様々な言語において英語をはじめとした優勢な言語が、個別言語の研究に与える影響を検討する。同時に、英語学が果たしてきた役割についても再検討を行う。第二に、実証的な言語研究の手法として注目している計算言語学・深層学習との共同研究を進める。具体的には、日本認知言語学会のワークショップ、日本英語学会と日本語文法学会のシンポジウムで、様々な観点から大規模な言語モデルが言語研究に与える影響と、言語研究が言語モデルの精度を上げる可能性について検討を行う。第三に、社会言語学の観点から構文についてとらえなおすための個別研究を行う。特に、具体的な構文における変種・変化・変異に注目をし、言語使用域によって異なる知識のありようを示す予定である。成果の一端は、国際認知言語学会(@デュッセンドルフ)で示すと同時に、日本における認知社会言語的な研究の確立を目指した書籍企画(ひつじ書房)に参加をする予定である。
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Report
(4 results)
Research Products
(25 results)