Longitudinal Study in Japanese Pronunciation of Russian Native Speakers
Project/Area Number |
19K00701
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02090:Japanese language education-related
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Research Institution | Kaichi International University (2023) Ochanomizu University (2019-2022) |
Principal Investigator |
小熊 利江 開智国際大学, 国際教養学部, 客員教授 (00448838)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 第二言語習得 / 日本語教育 / ロシア語母語話者 / 縦断研究 / 音声習得過程 / 体系的変異 / 自然発話スタイル / 発音指導 / 発話音声 / 習得過程 / 質的研究 / 音声 / 日本語の発音 |
Outline of Research at the Start |
外国語の音声コミュニケーション能力に対する学習者ニーズは、近年ますます高まっている。しかし、ロシア人学習者による日本語音声習得に焦点をあてた実証的研究は非常に少ない。本研究では、(1)縦断研究を用いて学習者1人1人による実際の習得過程を詳細に記述し、(2)予測された日本語音声習得上の難易を検証し、(3)研究結果が第二言語習得研究の仮説やモデルに適合するかを検討する。本研究は、これまで全く行われていないロシア語母語話者の自然発話を用いた実証的な縦断研究であり、未開拓の研究分野である。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ロシア語母語話者(以下、「ロシア人」とする)による日本語の音声習得過程を明らかにすることである。それにより、第二言語習得理論の構築に寄与し、また日本語の音声教育の効果的な方法を探ることも可能になる。 縦断研究を行うことによって、横断研究で予測された習得順序や音声的特徴について、学習者が実際にたどる習得過程と対照しながら分析することができる。そのため毎年ロシアに渡航し、日本語を学習する同一の被験者に対して継続的に発話データの収集を行い、音声習得過程を観察する計画を立てた。しかし、2020年と2021年は新型コロナウイルス感染状況悪化のため発話データの収集が難航した。2022年以降はロシアの戦争のため調査渡航が行えず、ロシア人の発話データの収集は非常に厳しい状況が続いた。 本年度は、ロシアCIS教師会の年次大会で行ったアンケート調査の結果を分析した。研究成果として、ロシアとCIS諸国での音声指導の実施状況について最新情報を示し、現地の日本語教師の音声指導への意識を、日本で教える教師への調査結果と対照しながら考察した研究を発表した。これまでロシアとCIS諸国において日本語の音声指導の実態に関する調査は見られないため、本研究は非常に貴重な資料となる。 ロシア人を対象とした縦断的な音声データはそれ自体が希少であり、学術的な価値が高いと考えられるが、研究期間を通して、横断研究からは得られない多くの成果が得られた。例えば、母音の発音における実際の習得過程が、横断研究からの予測と異なる様子が確認された。また、ロシア人の発話では一定の日本語の母音が曖昧化する現象が多く起こり、不自然に聞こえることが明らかになった。さらに、ロシア人による日本語音声習得の過程において発音が体系的に変異する様子を示し、音韻の漸次拡散モデルと音韻の範疇化プロセスの仮説を支持する可能性を示した。
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Report
(5 results)
Research Products
(11 results)