Project/Area Number |
19K00949
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03020:Japanese history-related
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
佐々木 啓 茨城大学, 人文社会科学部, 准教授 (50581807)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2021: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2019: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 扶桑会 / 日雇労働者 / 戦時労働力動員 / 労務供給請負業 / 総力戦体制 / 飛田勝造 / 大日本労務報国会 / 労務協会 / 労働史 / アジア・太平洋戦争 / 占領期 / 労働力動員 / 総力戦 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、戦時期から戦後初期にかけての日本における、日雇労働者の生活・労働を分析し、その歴史的性格について明らかにすることを試みる。具体的には、労務供給請負業の動向や、配給制度をはじめとする生活環境について分析し、戦時下において日雇労働者の労働・生活の様相がどのように変容していったのかを明らかにするものである。 研究を通して、総力戦にともなう日雇労働者の包摂と排除の実相を究明し、当該期の日雇労働の実態とそれに対する国家政策の歴史的性格を考察する。そして、1930年代から40年代にかけての日本における総力戦と労働の関係について改めて検証し、現代の労働問題を考える一つの歴史的な視座を提示したい。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、特に戦時期日本における日雇労働者の動員組織=扶桑会の指導者であった飛田勝造を中心に、当該期の日雇労働者と労務供給請負業者の動向について、研究を進めた。具体的には、飛田が戦時期から戦後にかけて公表した論文やエッセイ、飛田の周辺にいた人びとの証言記録、さらに扶桑会関係の史料の収集・読解をおこなった。 その結果、第一に、1920年代から30年代にかけての時期の労務供給請負業者の自己認識について、明らかにすることができた。社会行政による下層社会への介入の強化と総力戦を念頭に置いた日雇労働市場の掌握のなかで、労務供給請負業者は自身の存在意義をあらためて国家や社会に説明することを迫られた。その一つの帰結が、1941年の全日本労務供給事業組合連合会の設立であったことを明らかにした。 第二に、労務供給請負業者が様々なかたちで政治権力と結びつき、その「暴力」を一つの資源として提供する役割を担っていたことを明らかにした。飛田は、1930年代後半に政治家や軍人の依頼に応じて選挙活動支援を行ったり、中国における宣伝工作活動に従事したりしている。その実態と歴史的性格について、考察を進めた。 第三に、戦後、飛田自身が戦時期の活動についてどのようにとらえていたのかを検証し、その特質を明らかにした。飛田は、戦時期の自らの活動を「労働三法」の実現として理解しており、戦後改革がむしろそれを歪めたと見ているが、その「主観」を日雇労働者の歴史のなかであらためて検証した。 以上の研究成果は、2023年2月に開催された、歴史問題研究所民衆史班・アジア民衆史研究会共催「第22回日韓民衆史共同ワークショップ」で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響や本務の多忙化、家庭の事情が重なったこともあって、予定通りに論文の執筆ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
史料はかなりの程度そろってきているので、昨年度に開始した論文執筆に集中し、年度内に発表できるように尽力したい。
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Report
(4 results)
Research Products
(2 results)