Project/Area Number |
19K01046
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03030:History of Asia and Africa-related
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Research Institution | Kobe College |
Principal Investigator |
小林 隆道 神戸女学院大学, 文学部, 准教授 (40727335)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 中国史 / 宋代 / 文物 / 政治史 / 士人 / 隠逸 / 美術資料 / 宋元代 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、宋末元初の士人たちの文化活動によって生み出された文物とそれを巡る資料を、江南地域で活躍した士人の牟ケンを中心として体系的に調査することにより、その基盤となった当該時期の士人ネットワークの具体的様相と、その政治的機能がいかなるものであったのかを明らかにする。文物は単なる美術作品ではなく、多分に政治性を含むものであった。そこで士人ネットワークの総体的動向の上に牟ケンという個別具体的な事例を置き、当時の文物をめぐる政治と士人を考察する。歴史学と美術史のディシプリンに関する問題を踏まえた上で、文物を政治・文化・地域の凝集物として位置づけ、当該時期の文化と政治のあり方を考察する。
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Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、新型コロナウイルスの影響により研究計画を大きく変更した経緯を受け、前年度に引き続き、文物に関わる士人のなかでも「隠逸(隠者)」の存在に注目し文献資料の分析を行った。特に、宋代隠逸研究の状況を思想や文学方面の研究との関連も視野にいれながらまとめ、「歴史」の立場からの「宋代」の隠逸を研究する重要性を明らかにした。また、本来は隠れて「見えない」はずの隠逸の記録がどのように残ったのかに注目し、史料学・史源学からの分析が有効であることを確認した。 具体的には、『宋史』隠逸伝に最初に立伝される戚同文を考察対象とし、まずはその史料のソースを探った。各種史料の継承関係を追うことにより、五代から宋初に活躍した戚同文に関する具体的記事が主に北宋後期から南宋以降に形成されたことを明らかにした。そこから、戚同文が「隠逸」として評価されたのは南宋以降に形成された視点によるものではないかという観点を得て、『隆平集』『東都事略』『太平治迹統類』といった北宋・南宋・元時代の史書、文集や類書などの中で戚同文が「隠逸」カテゴリーに入れられる経緯を跡づけた。この成果は研究会における口頭公表で公開した。 なお、『宋史』隠逸伝、『宋会要』選挙三四「遺逸」に記載された各人物について、姓名・出身地をはじめとした情報を各種項目ごとに整理することをはじめた。どのような項目が必要となるかは今後の研究の展開状況に関わるものであり、定期的に項目は見直していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究計画から大きく方向転換したため当初想定していた到達度から見ればどうしても進みが遅いと言わざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までの基礎的な分析を踏まえて研究を発表した当該年度に引き続き、これまでの研究を形にして発表を行う。
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