Project/Area Number |
19K01048
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03040:History of Europe and America-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小田中 直樹 東北大学, 経済学研究科, 教授 (70233559)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | フランス / 都市政策 / 都市問題 / 現代史 / 地方都市 / 現代フランス都市史 / 歴史理論 / 史学史 / 歴史学方法論 / 現代地方都市史 / 都市化 / 都市計画 / 現代フランス |
Outline of Research at the Start |
ゲットー化の阻止という目的においても、総合性という点においても、すぐれた性格をもつ「都市政策」が、「都市問題」の解決という課題に直面して適切に機能したか否か、およびその理由を、戦後フランスの地方都市ニーム(ガール県)の経験にそくして、歴史的および実証的に解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度はニーム(フランス)を2回訪問し、研究対象であるマス・ド・マング(Mas de Mingue)団地に関して、同市文書館(Archives municipales de Nimes)および同市が位置するガール県文書館(Archives departementales du Gard)において関連資料をチェックし、必要な資料については撮影し、帰国後に分析を進めた。その結果、同団地にについては、1970年代に、フランス型の統合政策である「るつぼ」型とは異なり、カナダなどで採用されている「サラダボウル」型の統合政策が「都市政策」として実施され、「都市問題」の解決・軽減に関して一定の効果をあげたことが明らかになった。
また、同団地を訪問し、同団地が2014年に開始された全国都市再生新計画(Le Nouveau Programme National de Renouvellement Urbain)の対象地域となったことにともない、当該計画を進展させるために同団地内に設置された市役所支所に勤務する市職員、および同団地で活動するボランティア団体「自由地域(Quartier Libre)」の代表に対してインタビューをおこなった。
そのうえで、文書館におけるアーカイヴァルワークはほぼ終了したしたため、これら文書資料のみにもとづく論文「Application du modele d’integration du "saladier"; a une cite francaise : le cas du Mas de Mingue (Nimes, Gard), de 1960 a aujourd’hui」を執筆し、フランスの雑誌に投稿したが、不採用となったため、現在改稿を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍のせいでニームにおける資料収集が遅れ、2023年度は遅れを取り戻すべく2回の訪問を実現した。ただし、本来であれば、おもな研究対象であるマス・ド・マング団地の旧住民が残したインタビュー記録をもちいる予定であったが、同記録に対するアクセスの交渉をする時間がなかった。そのため、文書資料のみにもとづいて論文を執筆せざるをえず、十分なクオリティを達成できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は再度ニームを訪問し、マス・ド・マング団地旧住民が残したインタビュー記録を保管しているボランティア団体と、同記録の利用について交渉する予定である。許可が得られた場合は、文書資料にもとづく歴史叙述と、旧住民のインタビュー記録にもとづくオーラル・ヒストリーを交錯させつつ同団地の歴史を描くことが可能になると思われる。
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