第一次世界大戦前のドイツ民衆の戦争肯定論形成のモデル化
Project/Area Number |
19K01086
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03040:History of Europe and America-related
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
中島 浩貴 東京電機大学, 理工学部, 准教授 (00599863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸畠 宏太 敬和学園大学, 人文学部, 教授 (20202335)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2021: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 戦争肯定論 / 軍事史 / 文化史 / 軍事雑誌 / 在郷軍人会 / ドイツ国防協会 / 近未来戦争小説 / ドイツ近現代史 / 民衆 / ふつうの人々 / 軍事団体 / 西洋近現代史 / 民衆史 |
Outline of Research at the Start |
本研究では19世紀末から第一次世界大戦前夜までのドイツに焦点を当て、この時期に軍人著述家や民間の作家が大衆向けの著述で近未来戦争をどう描き、それを民衆がどのように受容したか考察することにより、当時のドイツ社会に仮想敵国への敵意や戦争に対するイメージがいかに増幅されたかを明らかにする。
①軍事著述家が一般読者を想定して著した著作類を分析するとともに、結社・団体などの公共空間で彼らが国民皆兵思想と近未来戦争への心構えをいかに普及させたのかを検討する。 ②近未来戦争を描いた当時の人気大衆小説などのポピュラー・カルチャーのレベルで、民衆がどのような戦争像や敵国イメージを持ったのかを分析対象とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は、すでに収集したドイツ国防協会の会報『国防』の分析を中心に史資料の分析に集中して研究を行った。当初の計画では、第一次世界大戦前の在郷軍人会の会報と国防協会の会報の言説を包括的に分析することを意図していた。この両者を比較するなかで、共通点について分析する研究報告を行った。ただ、研究を進めていくなかで、在郷軍人会の分析に優先して、国防協会の言説を包括的に分析することの重要性が明らかとなっていったため、『国防』での一般的な記事のレトリック分析に集中的に取り組む必要性が浮上してきた。さらに、戦争肯定論を分析する際に、プロパガンダの視点が視野に含まれてきた。『国防』の分析については、プロパガンダという観点について、これまで慎重に扱ってきたが、シンポジウムでの報告のなかで、イギリスとの比較との比較を行うことができた結果、自らの研究の進展においてもプロパガンダを客観的に問い直すことが言説分析においても有意義な視点をもたらすことが判明した(中島浩貴「第一次世界大戦前のドイツの民間人と戦争論」シンポジウム「大戦とプロパガンダ」、JSPS科学研究費助成事業(19K13123)「英国における侵攻小説と第一次世界大戦のプロパガンダ的類似性の研究(代表者:深町悟)」、2023年3月22日、神戸大学鶴甲第1キャンパス国際文化学研究科E棟中会議室とZoomのハイブリッド)。加えて、第一次世界大戦前の技術的問題に着目するなかで、民間人向けの「軍事的なもの」ないし「軍事言説」においても共通する価値基準、判断基準につながる識見を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度の研究においては、第一世界大戦前の国際比較や技術的問題の分析に関する識見を得ることができた。神戸大学でのシンポジウム講演によって、同時代のイギリスとの比較研究の視座がえられた。また、ドイツのみならず、フランス、イギリス、日本などとの比較研究の端緒とする展望が得られた。また、本研究の周辺的なテーマであるところの、第一次世界大戦前のドイツの技術的な認識の形成過程を明らかにする論説を明らかにすることができた。これは、間接的にドイツ民衆の戦争観の形成プロセスを明らかにするうえでも実りあるものであり、研究に関する視野が広がった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度には、ドイツ国防協会に関する論稿を予定しており、さらに研究の進展を図る予定である。また、本研究を基礎として、戦争肯定論が第一次世界大戦前後に世界的に広がっていく状況について、さらに拡大した研究が行えるような組織づくりを図っていきたいと考えている。
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Report
(4 results)
Research Products
(20 results)
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[Book] ドイツ文化事典2020
Author(s)
石田 勇治編
Total Pages
744
Publisher
丸善出版
ISBN
9784621305645
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