Project/Area Number |
19K01167
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 04020:Human geography-related
|
Research Institution | The Open University of Japan (2022-2023) Kanagawa University (2021) Ibaraki University (2019-2020) |
Principal Investigator |
小野寺 淳 放送大学, 茨城学習センター, 特任教授 (90204263)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2021: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
|
Keywords | 長久保赤水 / 伊能忠敬 / 石黒信由 / 酒井捨彦 / 宗孟賢 / 地図 / 19世紀 / 宗孟寛 / 石黒信基 / 北本 栗 / 水戸 / 積善館 / 地図製作 / 北本栗 / 鷹見泉石 / 18世紀 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,青年期に江戸時代の測量や作図法を学び,明治期にも地図製作を行った民間地図製作者を複数(酒井捨彦,宗孟寛,北本栗,酒井彪三など)取り上げ,彼らがいかに江戸時代の測量・作図法から近代地図の製作へと転換したのか,一人の地図製作者が製作した地図表現の変化,すなわち継承された表現と新たに取り入れた表現の比較,史資料によって彼らの師弟関係と経歴などの系譜を調査・研究する。これまでの地図史研究では,地図製作を生業とした民間地図製作者は無名に近い存在であった。彼らに焦点を当て,19世紀の日本における地図製作者の系譜と作図法の継承と革新を明らかにすることを目的とする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
18世紀から19世紀にかけての日本では、地図や地図製作に関する関心が高まった時期である。すでに17世紀初頭より江戸幕府は諸大名に国絵図作成を命じ、日本図の作成も行っていた。また暦法の発展、西欧の科学の流入によって、経緯度に日本列島を位置づける試みも始まり、18世紀末には水戸藩士となった長久保赤水によって「改正日本輿地路程全図」が刊行された。この日本図は、江戸幕府撰日本図や国絵図はもとより、風土記などの地誌を参考にして描かれたものと推定される。この正確で詳細な日本図を見た知識人たちは、驚きとともに誤りを指摘した。赤水は、指摘箇所を門人も巻き込みながら検討して修正していく。この姿勢は、赤水の門人たちによって受け継がれていく。 一方で測量の習得者も現れ、なかでも伊能忠敬とその門人らは優れた天文・測量によって「大日本沿海輿地全図」を完成させる。この日本図は、明治期に陸軍による地形図作製はもとより、教育用地図帳や旅行ガイドなどまで、広く普及していくこととなる。これらの地図製作を担った人々について、いまだ十分に明らかにされてはいないが、本科研では長久保赤水と伊能忠敬の門人たちの足跡をたどることによって、19世紀における地図製作者の系譜と作図法の継承・革新を明らかにすることを目的とした。 成果の一部は、2021年度日本地図学会定期大会の報告内容「長久保赤水-水戸藩地図製作の系譜の中で-」(要旨:地図59-4)、2022年度印刷博物館『図録 地図と印刷』収録「講演 水戸藩地図製作者の系譜-長久保赤水から横山大観の父と伯父-」(2022年11月刊)、2023年度歴史地理学会大会公開講演会「水戸藩の地図製作者たち―伊能図との関わりを中心に-」(要旨:歴史地理学65-3)、東京新聞連載「日本図の変遷-赤水から伊能へ」(2022年11月~12月,徳島大学名誉教授平井松午氏との分担執筆)で公表した。
|