Project/Area Number |
19K01175
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 04020:Human geography-related
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
美谷 薫 福岡県立大学, 人間社会学部, 准教授 (50782968)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2021: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2019: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 行政地域システム / 行政区域再編 / 行政資源配分 / ローカル・ガバナンス / 水道事業 / 広域化 / 圏域 / 人口減少社会 / 行政区域 / 市町村合併 / 公共的団体 / 地域システム / 水道事業広域化 / 人口減少時代 / 市町村 / コミュニティ組織 / 学区 / 平成の大合併 / 基礎自治体 / コミュニティ / 行政・公共的機能 |
Outline of Research at the Start |
「平成の大合併」の進展や少子高齢化・人口減少などの社会環境の変化に伴い,基礎自治体に関する,行政の(あるいは公共的な)機能とその圏域や空間スケールが大きく変化しつつある。本研究は,このような現状を踏まえ,基礎自治体を取り巻くマルチスケールでの行政・公共的機能とその圏域の関係を整理しモデル化するとともに,その課題を抽出することを目的とするものである。調査に際しては,事例地域を設定し,役場や地域団体等へのヒアリングを実施し,その実態を明らかにするとともに,全国の市区町村を対象としたアンケート調査を実施する。これらの結果をまとめ,現時点での「行政地域システム」の課題抽出を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度はまず,研究計画に位置づけていた福岡県内市町村の事例調査について,「平成の大合併」に伴い市町村の再編成が大きく進展した嘉飯地域を取り上げ,市町村行政と地域活動を中心とする公共的団体の組織にみられる地域システムの現状について,各市町役場への聞き取り調査を中心に資料収集を行った。ここでは,前年度に取り上げた明治期以後に市町村合併が十分に進展しなかった,隣接する田川地域との比較を念頭において調査を実施した。 その結果,広域合併が進んだ飯塚,嘉麻の両市では,合併から20年弱が経過した調査時点でも,行政機構や公共的団体の地域組織に合併前の旧市町村の枠組みが広く残存していた。田川地域の「平成の大合併」を経験していない自治体と比較して,空間組織がより多層で複雑なものとなっており,また合併前の旧市町村ごとに異なるしくみが残存している分野なども存在することが明らかとなった。 一方で,明治期半ばからほぼ区域が変化していない桂川町では,田川地域の未合併町村と同様の形態となっており,これらの事例からは,明治期以後の市町村の再編のあり方が,現在の市町村レベルでの行政地域システムの形成に大きく影響していることが改めて確認できた。以上の成果については,2023年人文地理学会において「福岡県嘉飯地域における市町村行政・公共的団体の空間組織」として口頭発表した。 このほか,県内の福岡都市圏における市町村の再編過程と,市町村区域に規定され得る財政構造の変化に関する資料収集を行い,それらを基に福岡地理学会が2024年11月に刊行予定の書籍に「福岡都市圏における市町村の再編成と行財政の課題」として寄稿した。また,研究分担者となっている基盤研究Bのプロジェクトと一部で重複する内容として,前年度に引き続き,福岡県におけるこれまでの水道事業の展開と再編の状況に関する資料収集を継続して実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度には,昨年度に引き続き福岡県内の事例調査などを実施したことにより,学会での口頭発表や書籍への寄稿などの一定の成果を収めることができた。しかしながら,当初予定していた全国的な質問紙調査の実施や,他地域の先進事例の調査などの実現には至らず,「新型コロナウイルス感染症」の拡大等に端を発する,これまでの研究の遅延を十分に回復することができなかった。このため,「遅れている」の自己評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の進捗の遅延を十分に回復できなかったことから,研究期間を1年延長する申請を行ったところである。最終年度となる次年度については,まずは,これまで取り上げてきた福岡県と合わせて,全県的に市町村の再編が進んだ大分県内の市町村や県組織の事例調査を実施する予定である。これらの成果を踏まえて,全国の市区町村及び都道府県向けの質問紙調査を設計し,その結果の整理までを含める形で上半期中に実施することを想定し,準備作業を進めている。
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