Project/Area Number |
19K01204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 04030:Cultural anthropology and folklore-related
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Research Institution | Edogawa University |
Principal Investigator |
阿南 透 江戸川大学, 社会学部, 教授 (50255204)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 忠賢 奈良女子大学, 人文科学系, 教授 (00213439)
有本 尚央 甲南女子大学, 人間科学部, 准教授 (70734333)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 都市祭礼 / 祝祭性 / 祭礼の中止 / コロナ禍の祭礼への影響 / 祭礼 |
Outline of Research at the Start |
現代日本では祭礼やイベントが氾濫し、非日常性が感じられなくなったにもかかわらず、一部の都市祭礼は人々に充足感を与え熱狂的に支持されている。本研究は、その要因である「祝祭性」の解明のため、見る者を驚かせる「スペクタクル」、身体行為の極限状態における「スリル」、真実性や本物らしさを意味する「オーセンティシティ」という3つの視点を設定して、9つの祭礼を比較する。 こうした検討を通じて、現代の祭礼のあり方を再検討し、民俗学における祭礼研究に新境地を開くことを目的とするとともに、岐路に立つ祭礼の進むべき道を提言できるよう理論化を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、計画当初は以下の祭礼の調査を予定していた。具体的には、南砺市福野の「福野夜高祭」、東京都府中市の「くらやみ祭り」、砺波市の「となみ夜高まつり」、秋田県仙北市角館の「角館の祭り」、北海道札幌市の「YOSAKOIソーラン祭り」、秋田県秋田市の「土崎神明社の曳山まつり」、青森県八戸市の「八戸三社大祭」、青森県青森市の「青森ねぶた祭」、大阪府岸和田市の「岸和田のだんじり」である。しかし新型コロナウイルス感染症が流行したため、調査を予定した祭礼がすべて、令和2年度、3年度の2年にわたり中止になった。このため、予定した研究テーマに基づく調査は実施できなかった。しかし、祭礼が中止に至る過程における議論や、中止に対する評価、祭礼に代わる代替行事の実施など、研究を推進する上で大変貴重な事象が各地で見られた。このため令和3年度は、調査を予定していた祭礼の中止をめぐる事象についての情報収集に務めた。 令和4年度はようやく祭礼が復活し始めたため、祭礼がコロナ禍を脱しつつある状況でいかに開催されるか、それぞれの祭礼について、復活の経緯を調査した。祭礼の開催時期により実施状況は異なり、また状況はいまだ流動的であるため、今回の調査では実施内容を記録することに重点を置き、分析を加えるには至っていないが、こうした知見の蓄積は、今後、「コロナ以前」「コロナ以後」の比較を明確にする意味でも重要であると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和元年度は予定した調査と研究会をすべて順調に実施することができたが、令和2、3年度は調査ができず、令和4年度の祭礼も、地域・開催時期にもよるが制限が付された形態であるなど、十分な調査ができたとは言いがたい。このため、情報収集において遅れが見られる。しかし、新型コロナウイルス感染症の流行による中止とそこからの復活という新たな事態が発生したため、祭礼を取り巻く状況を新たな角度から見直すことが可能になったと考えている。 ようやく令和4年度から調査を再開することができた。令和5年度の調査において、これまでの遅れを挽回するとともに、新たな視点を加えた調査を行い、考察を深めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の研究によって明確になったのは以下の諸点であった。1)単一の祭礼だけではなく、複数の祭礼が相互に関係するような「祭礼文化圏」的な視点の重要性。2)近年の社会学分野で注目されている「文化遺産の社会学」や「歴史的環境の社会学」の知見と祭礼研究の比較検討の必要。3)民俗学・社会学・文化人類学などの隣接領域における祭礼研究の理論的蓄積に関する比較研究。 以上3点を推進するため、令和元年に調査を行った祭礼についての調査を継続する。特に、2年間の「自粛」「中止」という経験を、祝祭とは反対の観点から照射して明らかにしていくとともに、「コロナ以後」の祭礼を以前の祭礼と比較することを通じて、祭礼における祝祭性の意味を考察したい。
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Report
(4 results)
Research Products
(22 results)