農耕民の生業変化と定住化インパクト:東南アジアにおけるモンの事例を中心に
Project/Area Number |
19K01227
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 04030:Cultural anthropology and folklore-related
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
中井 信介 佐賀大学, 農学部, 准教授 (90507500)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 生業 / 農耕民 / 定住化 / モン族 / 東南アジア / 環境適応 |
Outline of Research at the Start |
本研究は人類の生業史について、生業の変化に焦点をあててその要因を探求する。具体的には東南アジア大陸部の山地に暮らしてきた人々を中心に、20世紀以降に生起した生業変化の要因を検討する。この要因には近代化、定住化、人口増加、集団移動など多様な要因の関連が想定できるが、本研究では特に定住化インパクトの視点から検討する。主に検討する事例は、中国南部を故地としておよそ18世紀以降、ベトナム、ラオス、タイへと分布域を拡大してきた農耕民モン(Hmong)である。本研究は学問分野としては文化人類学と人文地理学を中心に、歴史学を加えた知見を総合して検討する試みである。
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Outline of Annual Research Achievements |
自然資源を利用した生業とそれに関連する文化は、とくに20世紀以降、世界的に大きく変化しつつあり、人類史の視点からみても重要な転換点にある。本研究では、人類の生業史について、生業の変化とその要因を考える試みの1つとして、山地の森林地帯で焼畑を行ってきた農耕民の事例を、定住化インパクトの視点から検討する。主に検討する事例は、中国南部を故地としておよそ18世紀以降に、ベトナム、ラオス、タイへと分布域を拡大してきた、農耕民モン(Hmong)である。 2022年度は本研究の研究期間(2019年度から2022年度の4年間)の4年目に相当し、フィールドワークと聞き取り調査を主に実施する予定であったが、引き続き、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響をふまえて調査をひかえ、これまでの調査結果の整理と文献検討から主に研究を進めた。 その結果、2022年度には、以下のような成果を出版・報告している。 まず1つ目に、モンの定住化過程にともなう自然資源利用の動態について、タケ利用の民族誌データを用いて論じた成果を出版した(Nakai 2023)。またこの成果の内容を踏まえて、2022年12月には、生き物文化誌学会第85回例会『日本におけるタケと人のかかわり』において、コメント発表を行った。 2つ目に、2023年1月には、広くアジアの狩猟採集民の生業を比較検討する、国立民族学博物館の共同研究会『アジアの狩猟採集民の移動と生業』での研究発表を行った。この発表では、主に焼畑民モンの視点からみた、近隣の狩猟採集民ムラブリの生業変化を、双方の民族集団の定住化との関わりから考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1年目の2019年度に、従来から訪問経験のある地域を再訪して、研究に必要なフィールドワークと聞き取り調査を実施しているが、2020年度以降、フィールドワークを実施できていない。具体的な課題は明確であるが、フィールドワークの実施を控えたため、これまでの調査結果の整理と文献検討を主に行い、研究を進めた。研究期間の4年目として、当初予定した成果を得るには至っていないが、研究の進め方を工夫することにより、ある程度の成果は得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの進捗状況を勘案して、研究期間を1年延長する。今後、5年目の研究推進について、課題や実施内容は明確なので、調査を実施して、遅れを取り戻すように研究を進める予定である。ただし、フィールドワーク調査が十分に実施できていないことを踏まえて、現在までに得られている結果の整理と、文献検討を中心とした研究成果のとりまとめ(IUAES2023での報告を予定)も並行して実施することで、研究の遅れを補完できるようにする。
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Report
(4 results)
Research Products
(13 results)
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[Journal Article] 野林厚志編『肉食行為の研究』2020
Author(s)
中井信介
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Journal Title
Japanese Journal of Cultural Anthropology
Volume: 85
Issue: 1
Pages: 156-160
DOI
NAID
ISSN
1349-0648, 2424-0516
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