ドイツ国法学上の国家憲法と宗教憲法の衝突の観点からみた現代的宗教問題の検討
Project/Area Number |
19K01285
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 05020:Public law-related
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
三宅 雄彦 駒澤大学, 法学部, 教授 (60298099)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | ドイツ基本法 / 宗教憲法 / 政治憲法 / ドイツ国法学 / プロテスタント教会法 / 国家教会法 / 全体憲法 / 部分憲法 |
Outline of Research at the Start |
憲法学の現代的問題として、公立学校での宗教的シンボルの着用、宗教法人経営病院での労働争議など、宗教に関わる法的/憲法的問題がある。本研究は、ドイツの国法学や教会法学の成果を参考にしながら、憲法条項そのものの解釈ではなく、その背後にある憲法理解や憲法理論、あるいは国家秩序及び宗教秩序の構造そのものから、その原因と解決策を検討することを目標とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、研究成果としては宗教憲法と国家憲法の衝突に関する直接的な検討を行うことが必ずしもできなかったが、同様の構造をもつ部分憲法や、さらには全体憲法と部分憲法に関わる方法論に関する検討については、論考を公表することができた(「憲法学の方法:憲法理論・憲法史・比較憲法」論及ジュリスト38号)。具体的には、宗教憲法と同様の構造を持つと思われる防衛憲法について、最近のドイツの判例法理の展開や基本法改正の動向などを踏まえ、民主政や法治国という構造原理を持つ全体憲法としての政治憲法が、そのような構造原理を持たない部分憲法において浸食される状況について、明らかにすることができた(「憲法判例の文脈化と機能化:レプシウスの連邦憲法裁判所批判」。さらに、水島朝穂教授古稀記念『自由と平和の構想力:憲法学からの直言』、及び小山剛・工藤達朗編『憲法裁判の制度と実践』にて、来年度中に公表の予定である)。 加えて、宗教憲法および国家憲法の衝突に関わる、個別的な事案の検討(ドイツにおける教会法による規律と憲法上の諸原則との衝突、いわゆるカルト規制による民主政原理や法治国原理の遵守、など)も進めることができたが、これに加えて、ドイツ基本法における宗教に関する現在の各種状況を、日本国憲法における同様の現象と比較する作業にもすでに着手しており、順次、紀要や日本の研究者と計画している共著などにおいて公表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
とりわけこの3年間においては、コロナ禍により、ドイツへの渡航・滞在、更には、ドイツ研究者の日本への招待及び研究協力がうまく進んでいなかった。とはいえ、昨年度は、2023年9月に、慶應義塾大学・鈴木秀美教授及びフライブルク大学・マティアス・イェシュテット教授が主催する日独憲法対話に参加して、ドイツの有力な憲法研究者との意見交換をすることができ、また、あわせて、ボン大学・ヴォルフガング・ドゥアナー教授と同地において直接に意見交換ができ、更には、イエナ大学・マティアス・クナウフ教授とはZoom会議において同じくドイツ基本法の解釈に関して意見交換を行うことができた。さらに、資料収集も順調に進めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は最終年度になるが、コロナ禍によりドイツへの渡航・滞在、或いは、ドイツ研究者の日本への招待及び研究協力が必ずしもうまくいかなかったが、資料の収集等については順調に進めることができている。今年度は、ドイツ基本法における宗教憲法に関する具体的な事案を検討することとし、順次、その成果を学内紀要などにおいて公表していく予定である。
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Report
(4 results)
Research Products
(19 results)