アメリカの「文化戦争」における「信教の自由」をめぐる新たな問題状況に関する研究
Project/Area Number |
19K01291
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 05020:Public law-related
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
福嶋 敏明 神戸学院大学, 法学部, 教授 (80461010)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 憲法 / アメリカ憲法 / 信教の自由 / 人権総論 / 文化戦争 |
Outline of Research at the Start |
近年、アメリカでは、いわゆる「文化戦争」を背景に、保守的な信仰を有する企業経営者等の経済的主体が信教の自由に対する侵害を理由に人工妊娠中絶の権利や同性愛者の権利の保護を目的とする法律の適用を争うという新たな問題状況が生じている。これに伴い、宗教に対する法適用免除をめぐるリベラル派と保守派の対立構図にも一定の「変容」が見られ、経済的主体による信教の自由の主張を広く認めようとする保守派の議論に対抗すべく、経済的主体と信教の自由との関係性を根源的に問う議論がリベラル派から示されている。本研究は、かかるアメリカにおける信教の自由をめぐる新たな問題状況について、判例の動向と学説の議論を中心に分析する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、引き続き、本研究課題の主たる分析対象である信教の自由と同性愛者の権利・人工妊娠中絶の権利の対立に関連するアメリカ合衆国における判例の動向について、一次資料および二次資料に基づく分析・検討を行った。その成果の一つとして、2018年のMasterpiece Cakeshop判決に関する論稿を執筆した。当該論稿については、2023年度中に公刊される予定である。 その上で、本研究の取りまとめ作業として、これまでの研究成果を踏まえつつ、アメリカにおける信教の自由に関する近年の動向について、保守派による信教の自由の「武器化」という視点から整理・検討するとともに、かかる動向の中で宗教に対する法適用免除をめぐるリベラル派と保守派の対立構図がいかに「変容」しているかについての分析・検討結果をまとめる作業に着手した。その成果については2023年度中に研究論文の形にまとめ、所属機関の紀要(神戸学院法学)において公表することを予定している。 さらに、上記動向とも密接に関連する動向として、第1修正の「武器化」と呼ばれる近年のアメリカにおける動向について言論の自由の領域を中心に分析・検討を行う論文(「第1修正の武器化をめぐってーアメリカ合衆国における「言論の自由」法理の現代的課題」水島朝穂先生古稀記念『自由と平和の構想力』所収)を執筆し、所属研究会(アメリカ憲法研究会)において信教の自由に関する最新の合衆国最高裁判所判決(Kenedy v. Bremerton School District (2022))について報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度に引き続き、2022年度においても、新型コロナウイルス感染症をめぐる状況のために、資料・情報収集のために予定していたアメリカの研究機関への出張を行うことができなかったものの、本研究課題の遂行にとって重要となる判例動向に関する研究成果について研究論文や研究会報告の形で公表することができ、かつ、本研究課題の取りまとめ作業に着手することができたため、順調に進展しているものと評価しうる。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度に着手した本研究課題の取りまとめ作業を2023年度中に完了し、その成果を所属機関の紀要に研究論文として公表することを予定している。合わせて、新型コロナウイルスの感染状況のために実施できずにきた資料・情報収集のためのアメリカの研究機関への出張を行うことを予定している。
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Report
(4 results)
Research Products
(14 results)