フランス法を起点とした包括担保法制の比較研究(ケベック法・ベルギー法・日本法)
Project/Area Number |
19K01376
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 05060:Civil law-related
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
片山 直也 慶應義塾大学, 法務研究科(三田), 教授 (00202010)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 動産債権担保法改正 / フランス担保法 / 有体動産質 / 無体動産質 / 排他的担保 / ABL / 事業担保権 / 事業成長担保権 / ベルギー担保法 / ケベック担保法 / 所有権担保 / 流動資産担保 / 事業資産担保 / 債権担保 / 金融資産担保 / フランス法 / ベルギー法 / ケベック法 / 包括担保 / 包括財産 / 資産 / 担保価値維持義務 / 充当 / 財 / 活用 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、わが国における包括担保法制の立法化に向けてその理論的基礎および具体的な立法提案を提示することを目的とする。そのために、わが国の担保法の母法であるフランス法を起点として、ケベック法やベルギー法において、同じフランス法圏でありながら、Common Lawや統一法(UNCITRALモデル法など)の影響を受けて、どのように法制度が変容したかを動態的に分析する。それを踏まえて、法認識論的アプローチから、包括担保法制の基礎理論として、①新たな「財」およびその「活用」、②「充当」、③「担保価値維持義務」の3つの視点から一般法原則および例外則を措定し、それを基礎に動態的かつ重層的な法形成を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、新型コロナウイルスの影響で、海外研究拠点での調査、国際シンポジウムの準備および実施ができなかったことから、改めて2022年12月17日に海外拠点であるパリ第2大学等から、ミシェル・グリマルディ(パリ第2大学名誉教授)、マリ・ゴレ(パリ第2大学教授)、ジャン=ジャック・アンソー(パリ第2大学教授)、オーギュスタン・エネス(パリ第12大学教授)の4人の研究者慶應義塾大学慶應義塾大学三田キャンパスで、日仏担保法セミナー「フランス担保法の改正」を開催した。特に後半では、「2021年オルドナンスによる動産債権担保改正の動向」と題して、現在、わが国の法制審議会で審議が進んでいる動産債権担保法制の改正作業を視野にいれて、先行したフランス法における法改正から示唆を得る作業を行った。 今回のシンポジウムでは、フランス、ベルギー、ケベックを研究拠点とした在外研究を取りまとめた片山直也「動産・債権担保法制をめぐる二元的構成の新たな二つの動向―フランス法を起点としたベルギー法・ケベック法の比較研究の試み―」法学研究94巻11号(2021年11月)1-73頁におけるケベック法およびベルギー法の比較研究を踏まえて、その原点というべき、フランス法の動向を確認し、広く債権担保について、動産担保と区別した取り扱いを行うという新たな「二元的構成」の傾向が看取されるようになり、動産担保について「有体動産質(gage)」と「無体動産質(nantissement)」の区別する「二元的構成」を採るフランス法に再び回帰している点を分析検討し、わが国における動産債権担保法改正への示唆を得ることができたといえよう。 なお、本シンポジウムに併せて、「2021年フランス担保法改正オルドナンスによる民法典の改正」法学研究95巻11号(2022年11月)65-129頁・齋藤由起教授と共同執筆)を公刊している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度後半になって、ようやく、新型コロナウイルスの影響も一段落し、同時に、法制審議会担保法制部会により、動産債権担保法改正の「中間試案」が1月に公表され、パブコメに付され、さらに、金融審議会の事業成長担保権に関するWGのレポートが2月10日に公表されるなど、わが国における動産債権担保法制をめぐる動きが、活発化してきたことから、それに対応する研究継続の必要が生じたから。
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Strategy for Future Research Activity |
法制審議会の「中間試案」、金融審議会の「事業成長担保権」など、日本の法改正の状況を海外発信し、これまで受動的であった、フランス法、ベルギー法、ケベック法との比較研究作業を一歩進めて、能動的に行うこととした。そのため、本研究を1年再延長し、2023年9月に、フランス・トゥールーズにおいてセミナーを実施する予定である。
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Report
(4 results)
Research Products
(12 results)