Project/Area Number |
19K01514
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 06020:International relations-related
|
Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
高原 秀介 京都産業大学, 国際関係学部, 教授 (40440870)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
|
Keywords | アメリカ外交史 / ウッドロー・ウィルソン |
Outline of Research at the Start |
本研究は、現代アメリカの主要かつ重要な外交理念である「リベラル国際主義」の原点をウッドロー・ウィルソン大統領による「14カ条」の平和原則(以下、「14ヵ条」と略記)に求めつつ、同政権下における「14ヵ条」の作成過程とともに、第一次世界大戦終結前後に国際社会が「14ヵ条」をいかに受けとめたかを全体的に解明するための基礎的研究である。特に、従来から研究が不十分とされる「14ヵ条」の第1条「秘密条約の廃止」と第2条「公海(海洋)の自由」原則に焦点をあて、それらの形成過程および有名無実化の背景を明らかにし、「公海(海洋)の自由」原則に対する日本の反応や認識を実証的に解明することを目的としている。
|
Outline of Annual Research Achievements |
ウッドロー・ウィルソンの外交、とりわけ「14ヵ条」の平和原則(1918年1月)について研究を進めてきている。令和5年度は、引き続き想定外の個人的事情により、海外資料調査の実施が困難となり、非常に厳しい研究環境下での取り組みとならざるを得なかった。加えて、今年度も専門学術誌への論文の掲載機会や書評の依頼が複数あったものの、残念ながら辞退せざるを得ない状況に追い込まれた。
しかし、その反面で、地に足のついた、きめ細やかな実証研究を自分なりに進めることができたように思う。本年度の研究方針としては、個別問題に照らしつつ、当該研究テーマの意味について再検討を行うことに重点を置いた。先行研究の精読や一次史料の解析を通じ、ウィルソンとその外交が第一次世界大戦終結前後の国際社会に与えた影響と現代アメリカ外交におけるその意味について、改めて検証する機会が得られたことは大きな収穫であった。ウィルソン文書集(Papers of Woodrow Wilson)やウィルソン政権の外交政策に関わる政策決定者の個人文書などの一次史料を分析する作業を進めるなかで、およそ教科書的解釈ないしは俗説とはほど遠いウィルソン政治の実態を随所で確認することができた。
これらの新しい論点を丁寧に整理しつつ、あらためて注意を払いながら、本研究課題の研究成果をまとめ、「14ヵ条」をめぐるウィルソン政権の外交の内実に迫ることができるよう、引き続き研究を進めていく所存である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
英文・和文を問わず、専門書の精読や一次史料の解読については、概ね順調に進展している。文章化と校正作業には、それなりの時間を要している。本年度(令和5年度)に至ってもなお、種々の事情により、海外での資料調査を実施できなかった。したがって、令和6年度以降、状況が許す範囲内で、資料調査を計画したいと考えている。それまでは、ひきつづき入手済の一次史料や研究書を読み解く中で、研究成果につながる手がかりが得られるよう努力したい。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在、ウィルソン政権の外交に関する様々なプロジェクトに取り組みつつあり、一部については成果の目処が立ちつつある。その一方で、なお調査・検証が必要な部分もあり、包括的な研究成果を発表するには、なお慎重を要するものと考えている。これまで研究代表者は、ウィルソン政権の外交に関する個別研究を四半世紀以上に亘り積み重ねてきた。その経験を通じて、はじめて理解可能となった点も少なくない。本研究課題の最終年度に向けて、これまでの研究蓄積を活かしながら、着実な個別研究への取り組みを通じ、執筆を進めつつある単著の上梓につなげられるよう、引き続き当該研究を推進していきたい。
|