経済成長と社会厚生の最大化のための課税政策ー高次元多目的最適化法による検討ー
Project/Area Number |
19K01641
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07040:Economic policy-related
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
土居 潤子 関西大学, 経済学部, 教授 (00367947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 芳将 立命館大学, 経済学部, 教授 (90572975)
花田 良子 関西大学, システム理工学部, 准教授 (30511711)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 経済成長 / 課税政策 / 租税政策 / 異質性 / 最適課税 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、経済成長と社会厚生を最大にするような課税政策を提示することである。これまでの最適課税政策の結論は、従来の経済分析で用いられてきた様々な仮定に依存していると考えられる。このため、こうした仮定にとらわれない関数を用いてモデルの作成を行う。 本研究では、より現実に近いモデルを作成することを目標とし、複数の税を一つのモデルの中に取り入れる予定である。この場合、作成されたモデルの解は、解析的に示すことが困難になることが予想されため、解はコンピューターによる数値解として示すことになるであろう。よって、本モデルの解、すなわち、複数の税率を同時に決定できるようなアルゴリズムの開発も行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、複数の税率を同時に決定することができる経済理論モデルの構築とその解析方法を開発することを目的としている。この分析を行うことで、実際の政府が経済成長率を高めるために様々な税率を同時に決定しようとする場合、より現実に即した政策提言を行うことが可能となる。モデル構築および解析方法を開発する際には、個人の最適化行動に関する先行研究の成果を取り入れ、より経済主体の行動を精緻化することを試みる。 本年度は、経済成長率を考える際に、人的資本の蓄積に注目して新たな定式化を試みた。コロナ禍において指摘されたように、家庭の教育環境は、子供の人的資本蓄積に大きな影響を与える可能性がある。また、103万円の壁などと言われるように、政府の税制によって、人々は行動を変える(労働時間を調整するなど)ことが知られている。これらの事実を鑑みると、政府の税制によって、労働時間や家庭教育の時間を調整することが考えられ、そのことが子供の人的資本蓄積に影響を与えることが考えられる。よって、これらのことを考慮することができる新しい人的資本蓄積関数の定式化を試みた。この人的資本蓄積関数を用いてモデルを構築し、政府が設定する様々な税率(消費税や所得税など)に関して、条件の変化等にロバストな解集合を得ることができるように解法の開発を行っている。さらに、妥当なパラメータ値を検討し数値例を示すことができるように研究を進めている。また、今年度も引き続き関連する先行研究のサーベイを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍を考慮したため、国内外の研究会への参加が難しかった。このため、研究の改善が当初の予定より効率的に進まなかったことが理由として考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
23年度は、構築したモデルをもとに、数値例を用いて最適な税率の組み合わせを提示できるように研究を進めていく。そして、その成果を論文としてまとめ、学術誌に投稿する予定である。社会情勢の変化により、対面での打ち合わせを増やすことができると考えられ、研究会や学会等で報告を行う機会を得ることもできることから、様々な意見やコメントを取り入れ論文を改訂することで、研究を推進していけると考えている。
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Report
(4 results)
Research Products
(14 results)