Project/Area Number |
19K01653
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07040:Economic policy-related
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies (2022) Kobe University (2019-2021) |
Principal Investigator |
後藤 潤 政策研究大学院大学, 政策研究科, 助教授 (30732432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 朋子 東京理科大学, 理学部第一部教養学科, 講師 (50783601)
山崎 潤一 神戸大学, 経済学研究科, 講師 (80800606)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2019: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
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Keywords | 国家建設 / 再選動機 / アイデンティティー形成 / インセンティブ / 政治家 / テキスト分析 / 議会議事録 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、国家建設期において、地域間の利害対立を超えた「国益」意識が政治家の間でどのように醸成されたのか、また、政策の実行に必要な行政能力向上のための投資に対して政治家がどのような態度を取っていたのかを明らかにする。具体的には、戦前日本と独立後インドに着目し、(i) 領土紛争・対外戦争といった対外脅威や出身地域や社会的身分など帰属意識の違いという社会的要因、(ii) 議員の任期の長短や選挙権の制限などに起因する政治家が直面するインセンティブ(再選動機)の違いという制度的要因の影響を定量化する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、インドの独立直後の国家建設期に、政治家たちが地域間の利害対立を超越して「国益」の意識を形成し、国家アイデンティティーを醸成した過程を明確化することを目的としている。また、政治家たちが行政能力(state capacity)の向上に必要な投資に対してどのような態度をとっていたのかも分析する。特に、戦前の日本と独立後のインドを中心に、以下の二つの要素を定量的に分析する:(i) 対外的な脅威(領土紛争、対外戦争)や社会的要素(出身地、社会的地位に起因する帰属意識の差);(ii) 制度的要素(議員の任期の長短、選挙権の制限等がもたらす政治家のインセンティブの差)。2022年度には、2021年度から開始した主要な計量分析に使用するデータセットを構築するためのテキスト収集を完了した。これを用いて、独立後のインドの議会議事録の分析を行った。具体的には、議員の任期の長短が議会での発言パターンにどのように影響を及ぼすかを検証した。その結果、一部の領域、特に農業に関する発言には構造的な差異が確認された。さらに、任期が短い議員は強い再選動機を持つため、過去の政策への批判や自己のパフォーマンスの強調が見られた。対照的に、任期が長い議員は、長期的な政策提案を行っている可能性が示された。こうした傾向を受けて、次なる分析課題として地域間の利害対立を超えた「国益」意識の形成が成立していたのかどうかを検証する。具体的には、「インド全体を指すアイデンティティー」と地域特有の「regional favoritism」がどのように形成されていったのかを機械学習の手法を用いながら推定していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は目標としていたデータ収集をほぼ予定通り完了することができた。一方で戦前の日本における帝国議会の議事録は未収集であるため迅速な作業が必要となる。
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Strategy for Future Research Activity |
インド議事録分析プロジェクトにおいては、予定通りデータ収集が完了したためデータ分析および論文執筆のフェーズに入ることができた。今後は議会議事録データを用いて各政治家が「regional favoritism」とよぶことができる選好を持っていたのか、もしも持っていたのならばそれはどのような議員なのかを明らかにしていく。その過程では自然言語処理分野において発展している機械学習の手法を応用する予定である。
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