Project/Area Number |
19K01705
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07050:Public economics and labor economics-related
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
飯田 善郎 京都産業大学, 経済学部, 教授 (50273727)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2019: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 経済実験 / 社会的ジレンマ / 連続時間実験 / グリムトリガー / 囚人のジレンマ / 連続時間 / 連続時間ゲーム |
Outline of Research at the Start |
連続時間囚人のジレンマ実験を研究する。連続時間ゲームは、一定期間内のどの時点でもプレイヤが戦略を変えることができ、その瞬間ごとの利益が与えられるゲームである。自分以外の利害関係者の戦略に随時反応できるゲームの構造は、インターネットコマースやクラウドファンディングなど近年の情報化社会にしばしばみられる。経済実験の成果をふまえ、経済理論の発展および現実の社会的ジレンマ解決のための知見の蓄積を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究計画にも記した連続時間実験の拡張をもって、経済実験において検証が困難な無限期における経済主体の行動を検証している。いくつかのアプローチを複合して囚人のジレンマ実験に落とし込んだ結果として、被験者の選択として、事前に無限期先までの戦略としてグリムトリガーを含むいくつかの戦略を取ることを事前に確定するか、事前の戦略確定はせず、その場での判断で行動を選ぶという選択を被験者に与える形の実験となっている。なお、事前の戦略確定がない場合、被験者が自分の選択でグリムトリガーに相当する戦略を自分で取るなどしないかぎりゲームは無限期ではなく、極めて多段階と称するべき状態になり、その場合被験者は一方的に裏切られるリスクも負う。実験の結果は、被験者がゲーム理論が仮定するような事前の戦略の確定をする割合は少なく、8割以上の被験者が一方的に裏切られるリスクが有るとしてもその場の状況を見て自分の行動を決めることを志向することが示された。ゲーム理論の無限期の繰り返しゲームにおいて主体が戦略を事前に確定するいう仮定は計算の都合上避けられないものであるが、現実の経済主体の行動を説明しようとする場合の限界をこの結果は示している。この結果は、事前に戦略を確定することが囚人のジレンマで協調関係を実現しながら一方的に裏切られることを避けたい被験者にとって唯一の場合である設定でも違いがなく、極めて長期の関係が持続すると人が認識する状況にあって、協調関係の立て直しが効かない戦略が忌避される傾向を明らかにしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題は研究期間中の相当割合がコロナなどで被験者を集めることが困難という状況もあり遅れていたものの、1年の延長を経て本年を最終年度とするべく進めていた。しかし、これまで得られたデータの検証を経て追加実験の必要性が生じたため、最終的にデータが揃うのに年度末までかかる事となった。
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Strategy for Future Research Activity |
結論に至るだけのデータも揃ったため、成果を海外査読誌に投稿するべく執筆する。実験結果自体は興味深いものとなったと自己評価しているが、意味のある研究として認められるためには具体的で説得力のある論として慎重に組み立てる必要がある。ある程度時間はかかるが、重要な課程であるため再延長で得られた猶予を活用したい。
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