Project/Area Number |
19K01709
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07050:Public economics and labor economics-related
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Research Institution | University of Marketing and Distribution Sciences |
Principal Investigator |
中島 孝子 流通科学大学, 経済学部, 教授 (80319897)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 周産期医療 / 2次医療圏 / 移動距離 / 集約化 / 産後うつ / 産後ケア / 1出生当たり移動の機会距離 |
Outline of Research at the Start |
出生数減少に伴った産婦人科医師数減少により、周産期医療は縮小を迫られている。縮小する周産期医療提供体制全体における安全性などの確保において、高次医療を提供する施設の配置や実際の医療内容、救急搬送の受け入れ可能性などは重要である。本研究は、日本全域における周産期医療提供体制の実態調査を継続し、周産期医療の供給・需要の両側面から実現可能かつ安全・安心な医療提供体制の構築という課題に挑戦することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
四国4県(徳島、香川、愛媛、高知)の周産期医療提供体制の把握を目的として分娩施設の現状を調査し、集約化の可能性を検討した。おもな結果は以下のとおりである:第1に、周産期医療提供体制について、総合周産期母子医療センターと地域周産期母子医療センター(以下、センター)は徳島県4施設、香川県3施設、愛媛県6施設、高知県2施設である。第2に、(1)2次医療圏での移動距離の平均および1出生当たり移動の機会距離は、分娩施設が高度化するにつれ長くなる。(2)対象とする93市町村について、最寄りの総合センターは5施設である。第3に、分娩施設の集約化の可能性を検討すると、四国4県のセンター15施設のうち12施設は医師数についての「ある望ましいレベル」に達しなかった。この場合、同じ2次医療圏内に複数以上のセンターや公的・大学病院があると、移動距離の延長を伴わない集約化が可能である。また、人口が少ない都道府県では、分娩を実施する病院のほとんどが公的・大学病院であるという傾向が見られる。それは、産科を提供する主体のうち、個人または法人立の医療機関がその2次医療圏や都道府県(3次医療圏)の産科医療提供市場から退出し、公的な供給主体だけが残っている状態とみることが可能である。 2021年度より開始した、産後1年未満者を対象とするアンケート調査は、Covid-19流行下における褥婦の産後うつと産後ケア事業利用との関連の比較検討や、Covid-19が妊産褥婦に与えた影響についての実態調査などを目的とする。今後、結果の分析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
出生数の減少や医師の働き方改革などを背景に縮小や集約化を迫られる周産期医療について、需要と供給の両面から実現可能かつ安全・安心な医療提供体制の構築を目的として研究を実施してきた。 日本全域における周産期医療提供体制の実態調査の一環として、2022年度は、四国4県について2次医療圏ごとの分娩施設を調査した。特に周産期医療提供体制全体における安全性確保において重要な高次医療を提供する施設(総合または地域周産期母子医療センターなど)の配置について考察した。2023年度は九州地方の調査・検討に着手する予定である。また、実態調査の結果にもとづく日本全域の周産期医療施設の配置についての調査・分析については、その検討を開始する予定である。 周産期医療提供体制において、産後すぐの育児支援(産後ケアなど)の重要度が増している。特にCovid-19の 流行により、妊産褥婦の心理的ストレスが上昇したのではないかと推測される。妊娠期から育児期における生活の制限などの影響や、褥婦の産後うつ発症の要因、ならびに産後ケア利用との関連が明らかになることで、産後すぐの時期にある母子を対象に、安心して子育てができる支援体制を確保することにつながる可能性がある。これらについて、アンケート調査を実施した。今後、分析を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
日本全域における周産期医療提供体制の実態調査として、九州北部の4つの都道府県を対象にすすめていく予定である。調査と同時に、2次医療圏単位での高次医療を提供する施設の配置について、医師数を主な制約条件として考察する。予備的な調査によると、日本西部では医療資源が比較的豊富である。分娩施設の集約化の考察にあたっては、医療資源の豊富さは周産期医療における選択肢を増やす可能性がある。 近年、晩婚化、晩産化による家族のあり方の多様化、地域のつながりの希薄化により、妊産婦や母親の孤立感や負担感が高まって、産後の育児支援の必要性が高まっている。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行は、そうした孤立感や負担感をより強めたのではないかと考えられる。アンケートによって新型コロナウイルス感染症が妊産婦や褥婦、育児中の母親に与えた影響を明らかにする。
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Report
(4 results)
Research Products
(6 results)