組織制度と取引関係の“協力”への影響 ―成果主義・モジュール化、そして協力―
Project/Area Number |
19K01919
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07080:Business administration-related
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Research Institution | Bunkyo University |
Principal Investigator |
幸田 達郎 文教大学, 人間科学部, 教授 (30468368)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 成果主義 / モジュール化 / 擦り合わせ / コミュニケーション / 人事制度 / ケイパビリティ / 暗黙知 / 形式知 / 日本企業 / 日本文化 / モジュール / 日本的経営 / 新制度派経済学および歴史制度的分析の手法 / 取引費用 / チャレンジ / 新制度派経済学 / 国際経営 / すり合わせ / 年功序列 / 産業・組織心理学 |
Outline of Research at the Start |
従来の日本企業の強みの根底に「年功序列」と内輪での「擦り合わせ能力」があるといわれていた。しかし、最近では「成果主義」や国際的な「モジュール化」が新たな課題になっている。 こうしたなか、信頼や協力からドライな取引条件の設定へと産業の仕組自体が変わりつつある可能性が否定できない。 不祥事の温床ともなりかねない相手との馴れ合いやチャレンジの雰囲気にも質的な変化が起こりつつあると考えられる。 社員や経営者の行動に影響を与える評価制度の影響を測定しながら、企業間の現場の接点にいる個人の対・社内、対・社外の社会的交換関係を定量的に測定し、その詳細を定性的に記述する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、これまでコロナ禍により一切の取材を中断していたが、それが下火になったため、2023年2月~3月にかけてようやく実地調査を行った。 当初予定していた海外調査は一旦、断念し、国内の企業を調査した。丁度、目標管理制度と並行して一般社員に対して年俸制を選択できるように人事制度の改革を行った企業があり、そのタイミングで社員のかたがたに制度変更と仕事、コミュニケーションについてヒアリングを行った。 その結果、当初設定していた仮説のとおり、モジュール化と成果による評価との親和性が高いことが窺えた。すなわち、同じ営業業務でも、OEM業務などで外部と接触し、モジュール的な商品化を行うような外部との接触をする人々は年俸制を選択する傾向がより多く、従来型の恒常的に一体となって販売を進めている問屋とのやりとりが多い営業職では、従来型の目標管理制度を選択する社員が多かった。 尚、この会社では、従来の目標管理よりも年俸制のほうが実績による報酬の上下幅が大きく設定されている。そのために、年俸制のほうがより成果主義的要素が強くなっている。ちなみに、当該企業の場合、一般社員に対する目標管理制度も年俸制度も一般的な企業に比べて極端に成果主義的なわけではなく、特に目標管理制度を選択した場合には、年功序列的な要素が大きい。 また、市場が要求する仕様についてのコミュニケーションを仮に“市場言語”とし、企業の製造の核となる製造に関するコミュニケーションを“工場言語”とし、基本的な設計に関わるコミュニケーションの形態や内容を“設計言語”とすると、それぞれの言語の翻訳がどのように行われているのかについてが、従来の「暗黙知」と「形式知」という比較的スタティックな切り口ではなく、ダイナミックなケイパビリティとして作用することが窺えた。このことについては、発展的に派生した本研究の成果だといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍により実地調査を中止していたが、再開し、まとめて結果を得ることができた。 インタビュー時間は合計43時間41分にのぼった。 質的なデータは確保できたと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、最終年度として、量的な調査を完了することとする。 また、もしコロナ禍の影響がないようであれば、また、主な調査先として考えていたミャンマーの情勢が安定するようであれば、当初予定していた海外調査も行うことも視野に入れている。現在、ベトナム等での調査実施を検討中である。
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Report
(4 results)
Research Products
(11 results)