Project/Area Number |
19K01931
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07080:Business administration-related
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
三藤 利雄 立命館大学, OIC総合研究機構, プロジェクト研究員 (00249286)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2019: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | イノベーション / 電気自動車 / ディスラプション / 燃料電池自動車 / 技術進化 / イノベーションの普及 / ドミナントデザイン / 技術の非連続的変化 / イノベーション・マネジメント / 経営戦略 / パワートレイン / バッテリー / ドミナント・デザイン / 自動運転 |
Outline of Research at the Start |
インダストリー4.0の到来とも称されるように、科学技術の発展が新たな次元を迎えているなかで、イノベーション活動に基づく新たな製品やサービスの出現によって当該市場が分断され、時には既存の製品等が社会の表舞台からほとんど消え去り、新製品等が支配的になる現象が地球的な規模で頻発している。 こうした現象をディスラプションと呼ぶことにして、本研究は電気自動車を事例として、一連のイノベーション過程を解明するとともに、経営戦略上の意味を検証する。そのうえでディスラプションの脅威に直面する既存企業や、ディスラプションを企図するスタートアップ企業の戦略立案と事業の遂行に資するべく、実践的な戦略モデルを提案する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、非連続的な技術変化に起因するイノベーションの進行過程を解明するとともに、この過程が企業の経営戦略や経営組織などに及ぼす影響について検証することを目的としている。ここで、非連続的な技術変化と当該技術に関わる市場との間の相互作用過程をディスラプション(disruption)と呼ぶことにする。 具体的には、稀にみる変革期を迎えている自動車産業を対象として、バッテリー電気自動車(BEV)や燃料電池自動車(FCEV)など次世代自動車に関わる技術の非連続的な変化がもたらす当該産業や市場への影響に焦点を当てる。この際、BEVやFCEVなどの自動車本体、そしてバッテリーや燃料電池スタックなどの構成要素のみならず、MaaS (Mobility as a Service)やライドシェア、自動運転などを含むモビリティ分野全般において、どのようなディスラプションが生起しているのか、どのような製品やサービスが登場し主流になろうとしているのか、どのよう市場が生まているのか、などのトピックを織り交ぜながら分析を行う。 2020年度には情報経営学会、日本MOT学会などで研究成果を発表した。テーマはEVに関わるディスラプションの可能性に加えて、FCEVの技術進化過程と市場への浸透可能性、ジョブ型組織とメンバーシップ型組織の違いと日本における動向などである。FCEVに関しては、1990年代に次世代自動車の本命として注目を集めながら、HEVのみならずBEVの後塵を拝している理由や今後の可能性などについて研究を進めた。また、トヨタやホンダなどの日本の自動車関連企業は基本的にメンバーシップ型組織であることを踏まえ、ジョブ型組織と比較したときのメンバーシップ型組織の特徴やイノベーションとりわけディスラプションとの適合性などについて検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年度においては、BEVやFCEV本体、EVに関わるバッテリーや燃料電池その他の主要部品、およびMaaSや自動運転などのモビリティサービスに関わる文献や資料を収集したうえで、分析や検証を実施することとして、東京ビッグサイトなどで開催された次世代自動車関連の展示会を視察した。併せて、日本MOT学会による全国大会や研究会などで、得られた研究成果を発表した。 しかし、2020年以降新型肺炎が日本のみならず世界各地に拡散し、依然として収束の方向を見定めることができないなかで、現地調査や専門家等へのインタビューなどがほとんど実施できない状況にある。しかも国内外の自動車ショーが中止になるなど、現地調査が困難になっており、全般的に本研究の進捗には遅れが目立ってきている。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は現地調査やインタビュー調査、各種資料の収集等を実施したうえで、多面的な検討を行うことにより、研究内容の精緻化に努める。また、研究成果を学会や講演会などの場で発表する。 具体的には、今後次の三点に焦点を当てて研究を進める。第一は燃料電池自動車の技術進化過程と市場への普及可能性に関わる調査分析である。第二は小型電気自動車や超小型電気自動車によるディスラプションの可能性に関わる調査分析である。 ところで、日本の企業においてはメンバーシップ型組織が大勢を占めているところであるが、コロナ禍にあってジョブ型組織への移行が進展しつつあると多くの専門家が指摘している。そこで、第三に雇用システムや経営組織が自動車関連企業のイノベーション活動に及ぼす影響について検討する。、 COVID-19 の蔓延はいまなお留まるところを知らない。自動車関連の工場や施設を訪問しての現地調査や国際的な自動車ショーなどへの視察は依然として困難な状況下にあるので、今後とも主として文献や資料の収集、特にネットを利用した情報やデータの収集に努める。加えて、オンライン研究会や講演会に参加したり、あるいは研究会などを実施したるする活動を通じて、専門家や研究者との交流を図る予定である。
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