フランス共和国における「ジプシー」の市民権に関する研究:リベラル・モデルの例外化
Project/Area Number |
19K02051
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
中野 裕二 駒澤大学, 法学部, 教授 (10253387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
左地 亮子 (野呂) 東洋大学, 社会学部, 准教授 (50771416)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | フランス / ジプシー / ロマ / 共和主義 / シティズンシップ / 身分登録 / 移動 / 共和国 / ノマド / 人体測定手帳 / 適合住宅 / 市民権 / リベラル |
Outline of Research at the Start |
国際移民のグローバル化のもと、リベラルな市民権モデルへの収斂の中での排外主義の興隆が問題となり、こうしたリベラル・ナショナリズムの台頭と定着の原因を解明することが課題となっている。本研究では、20世紀初頭からリベラルな市民権に立脚する法制度の整備と並行して、そのモデルから「ジプシー」を例外化する4つの法制度を制定してきたフランスにリベラル・ナショナリズムの原型を見て、「ジプシー」例外化の正当化の理由とこの法制度がフランス社会で受け入れられていった過程を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、20世紀初頭からリベラルな市民権に立脚する法制度の整備と並行して、そのモデルから「ジプシー」を例外化する4つの法制度を制定してきたフランスにリベラル・ナショナリズムの原型を見て、「ジプシー」例外化の正当化の理由とこの法制度がフランス社会で受け入れられていった過程を明らかにする。 検討項目は、4つの法制度を素材として、A.立法過程の検討による「ジプシー」例外化の理由の解明、B.制度面・運用面での「ジプシー」の権利制限の実態解明、C.聞き取り調査等による法制度の解釈・実行・受容の実態解明である。本研究は、A.~C.を解明することで、リベラルな市民権モデルへの収斂の中の排外主義の興隆と定着の理由を明らかにするとともに、市民権回復の可能性と課題を提示することを目的とする。 2022年度は、フランスでの現地調査を春と秋の二度実施することができた。現地調査では、コロナ禍での移動の制限が移動生活者/ジプシー共同体に及ぼした影響や多数派社会との緊張関係について、当事者から具体的な情報を聞き取ることができた。またパリでは、主にセーヌ=サン=ドニ県に居住するロマ、および移動生活者の居住地と教会を訪問し、現在の居住および市民社会参加にかかわるインタビュー調査を行った。また同時に、FNASATおよびパリ市内本屋・図書館各所にて研究課題に関する資料を収集した。さらに、移動生活者/ジプシー研究や支援活動を行う人々と面談し、今後の共同研究について話し合うことができた。 また、以上のような研究活動と昨年度までの研究をまとめて、ホロコーストをめぐるロマのコメモレーション運動、「ジプシー女性」の主体化及びフランス共和国の排外主義的側面に関する論文を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響による勤務校の海外渡航規制が緩和され、調査研究のための渡仏が可能になり、調査が進んだ。それによる研究成果の発表もできているため、研究期間を延長したものの「おおむね順調」であると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度が当初予定していた研究期間の最終年度であった。研究期間を延長したが、研究の進捗状況に鑑み、研究期間の再延長を申請し許可された。2023年度は2022年度以上に現地調査が容易であると考えられるので、現地調査を積極的に実施する。また、過去に収集した資料に基づき、研究成果の公表に努める。
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Report
(4 results)
Research Products
(14 results)