教育における差異のジレンマからの脱却に向けた不平等形成スタンダードの脱構築
Project/Area Number |
19K02099
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
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Research Institution | University of Shizuoka (2022) The University of Tokyo (2019-2021) |
Principal Investigator |
二羽 泰子 静岡県立大学, 国際関係学部, 講師 (20802507)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | マイノリティとの共生 / タイ / 差異のジレンマ / マイノリティカテゴリの多様な解釈 / マイノリティカテゴリー / 不平等 / スタンダード / 教育における不平等 / 社会的マイノリティ / アフリカ地域 / オリエンタリズム |
Outline of Research at the Start |
本研究は、学校教育での社会的マイノリティの不平等をめぐる地域差を、各地域の社会的文脈に照らして明らかにすることによって、これまで常識とされてきた学校教育におけるマイノリティの位置を相対化するとともに、欧米の尺度を前提とした従来の枠を問い直すことによって、教育における差異のジレンマを打破する可能性を探究するものである。そのために、英語圏に比べて欧米からの進出の少ない仏語圏アフリカ社会に多く残っていると思われる、マイノリティグループに対する独自の解釈と、学校教育における不平等の説明について調査し、先行研究と比較することによって、教育における不平等の解釈に新たな枠組みを提示することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
当初セネガルにて実施する予定を変更し、タイにおいて同等の調査を実施した。少数民族・障害者・LGBTQの各マイノリティカテゴリが、タイにおいて、あるいは各民族において独自に解釈され用いられることによって、マイノリティへの差別や不平等を、西洋とは異なる形で回避しているケースについていくつかのユニークな実践を収集した。また、それらの実践がいかにして生まれているのか、いかなる社会的仕組みにおいて生み出されたのかについて分析するための背景情報について、文献とインタビュー調査の両方から収集し、分析した。その結果、障害者カテゴリについては、西洋の文化の影響の度合いによって、競争主義や個人主義が台頭している領域(例えば教育や就労)では西洋に近い排除や差別が起きていたが、生活領域においては西洋や日本で見られる排除や差別はあまり見られなかった。LGBTQについては、西洋とは異なるカテゴリ解釈がされていることから、差別の現れ方や運動のあり方などが、日本や西洋のそれとは大きく異なっていた。最後に少数民族・移民については、タイ人として教育を受け、街で働く若い世代と、政府に言われるままに農作物を生産するものの貧困状態から脱せずにいる村の高齢世代とに大きなギャップが生まれていた。若い世代では、タイ人のタイの街に同化することで得られる利益と、失うアイデンティティとがいわば交換条件として機能していた。他方村に残る人々も、政府の介入により、経済的自立かアイデンティティの喪失かという危機に立たされていた。そうした中で、中間世代の人々のネットワークによって、様々な取り組みがなされていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナによる出張制限に伴い急遽調査地を変更したため、予備調査等ができておらず、データ収集がまだ十分とはいえない
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Strategy for Future Research Activity |
夏までに主要なデータ収集を終え、整理・分析を行う。秋の学会で発表し、不測するデータを12月に追加収集し、分析を精緻化する。紀要で研究発表を行う。
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Report
(4 results)
Research Products
(4 results)