The formation of social relations and the structure of lifeworld of Central American migrants in Mexico
Project/Area Number |
19K02104
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
佐々木 祐 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (90528960)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2019: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 移民 / 難民 / 社会運動 / エスニシティ / 新自由主義 / メキシコ / 中央アメリカ / 支援 / 生活世界 / 連帯 / 紛争 |
Outline of Research at the Start |
メキシコにおける中米移民の生活世界を、フィールドワークや参与観察・聞き取りを通じて分析する。また特に、彼らの日常生活や就労現場・社会運動の場に ける社会関係を映像で記録することにより、そうした世界における人間関係や秩序の形成や 維持に関する分析を行うことが可能となる。こうして、排除者たちの社会関係のもつ特質やその機能を、実証的に明らかにすることができるわけである。極度に不安定であるにもかかわ らず、なぜそうした関係が成立し、自律的に再調整されうるのか、またそこにいかなる創発性が存在しているのか。世界各地で見られるこうした現象を分析するための鍵を本研究は提供することができる。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は主として次の3点が研究実績としてあげられる。 1. 文献・資料調査による、中央アメリカ・メキシコにおける「移民/移動の文化」概念の明確化:移民実践において、出身国と目的国の間の経済的・社会的格差がすぐさま行為を引き起こすわけではないことは明らかである。これまでの調査や先行研究からは、具体的な移動行為をの引き金自体はしばしば些細な理由・条件であることが示された。人を実際の移動に駆り立てる装置として、歴史的に形成され、また具体的な移動経験の積み重ねによって形成・維持され、またメディアや移動手段の進化によって日々修正される「文化」が大きな役割を果たしていることを、理論的に示す取り組みを進めることができた。 2. 現地調査による、メキシコにおける移民・難民状況の変化の分析:これまでメキシコを通過・滞在する移民・難民の多くは中央アメリカ出身者(特にグアテマラ・エルサルバドル・ホンジュラス)であった。だが、2020年には自然災害と政治不安からハイチ出身者が、また2021年以降は国内の分断状況からベネズエラからの移民が大挙してメキシコに流入した。移動ルートや援用する手段は従来のものを踏襲しつつも、文化背景の大きく異なるこうした移民に対応するために、支援組織や関連諸機関はその業務内容を大幅に変えていることが明らかになった。またこれは継続的に到来する中米移民への対応も変化したことを示している。 3. 送り出し国におけるより広範な「文化」に関する考察:大きな前提として、中米諸国におけるナショナリズムと文化を取り扱うことで、本研究をより広い展望のもとに位置づけることができると考えた。そのため、1950年代-1990年代の中米諸国の文化、とりわけ識字教育や詩作運動・綴り方運動の具体的な様相について分析を行い、またその背景となる各国の文化政策についても考察を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020,2021年度はCovid-19の流行のため海外調査が実施できなかったが、2022年度は期間は多少短縮したものの予定通りの現地調査を行うことができた。 それまでの文献・資料調査によって焦点化されたいくつかの問題点・仮説を現地調査において予備的・限定的にではあるが検証することができ、今年度の調査研究につなげることができた。 このように、予期せぬ計画変更を余儀なくされたものの、研究期間全体としては当初の目的を達成できる見込みである。 以上の理由から、研究は結果としておおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である2023年度は、これまでの研究実績を踏まえた上で、予定通り8月-9月に現地調査を実施する。 また、必要に応じて12月-1月にも補足調査を行う。具体的な推進方策としては、上述「研究実績の概要」で示したポイントをさらに深めるとともに、その相互関係をも明らかにすべく作業を行う。 また、日本における移住労働者・外国人住民の状況とも比較検討することにより、より立体的な理解と分析が可能になると思われる。 こうした成果は学会報告・論文の形で発表することはもちろんだが、次年度以降の科学研究費補助金出版助成を得て単著として刊行することを予定している。
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Report
(4 results)
Research Products
(7 results)