フィリピンにおける新たな貧困集積空間の形成:再居住地のフィールドワーク
Project/Area Number |
19K02124
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
石岡 丈昇 日本大学, 文理学部, 教授 (10515472)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | レジリエンス / 解釈労働 / 貧困 / 所帯 / 再居住地 / 根こぎ / ネグレクト / マニラ / 都市底辺層 / インフォーマル居住者 |
Outline of Research at the Start |
現在、マニラでは再居住地が急ピッチで建設され続けている。2000年以降、マニラの都心から数十キロ離れた南北のリモートエリア(多くは山間部)に再居住地が建設されており、そこにマニラのインフォーマル居住者が送り込まれている。本研究は、マニラの都市貧困層の再居住地のフィールドワークを通じて、現地の社会生活をめぐる基礎資料を作成し、そこからフィリピンにおける新たな貧困集積の形態を捉える試みである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度同様に、これまでの調査で行なった分析をまとめて公表する作業をおこなった。具体的には、「解釈労働」という概念を用いて貧困所帯の実態を捉える論考を執筆した。また、フィールドノートを再構成する形で、現場感覚から離れないレベルで貧困所帯の根こぎの模様を描出した。これらは、雑誌『現代思想』(青土社)の連載論考である「タイミングの社会学」に掲載されており、学術的アウトプットであると同時に、ひろく社会一般へのアウトリーチの活動の一環にも該当するものである。 また、昨年度と同様に、貧困を考える際には、個人へのアプローチと同時に集合体へのそれが必要になってくることを研究の方法論としても検討する作業を継続した。貧困を生きる人びとは、その生活の単位のなかに、つねに余人を抱えており、それがレジリエンスとして作動していることが、改めて確認することができた。さらに、強制撤去と再居住は、そのターゲットとされた人びとの一日の時間を、ますます仕事と通勤に囲い込むことも分かった。再居住地へ「送られる」ことは、もっと働かなければならなくなることである。職場から遠くなることによって交通費が高くなり、その交通費を補填するためにも人びとはもっと働かなければならなくなる。またジプニーを用いた長時間通勤を繰り返すことで、疲弊していく。再居住地の生活とは、稼ぎ手の生命力が擦り減らされることを前提に成立していることが見てとれた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの調査内容を論文として公表することはできているためである。昨年度までは、コロナ禍ということもあり、最新のデータについては当初予定していた現地調査からではなく、現地の二次資料に頼らざるを得なかったが、今年は現地フィールドワークを実施することもでき、よりビビッドな研究内容が公表できたと考えるためである。成果公表の面においても、論文や学会報告(指定者としてのシンポジウム報告)などをおこなっており、成果の発信もできている。以上より、(2)概ね順調に進展している、という区分が妥当であると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
現地調査をおこなうことができるようになったため、引き続き、調査を継続しつつ、最新のデータを補足していきたい。そうすることで、コロナ禍の困難を踏まえた貧困所帯の実態を捉える一次データを取得していきたい。また、理論的にも、引き続きレジリエンスや解釈労働、時間ー空間の圧縮、疲弊など概念をブラッシュアップさせるような考察を展開していくことで、事例研究と理論研究を接合するような方向性を打ち出したい。また、国際学会での発表や交流なども、ポストコロナの段階においては積極的におこなうことで、海外研究者との論点のすり合わせ作業も展開する予定である。
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Report
(4 results)
Research Products
(27 results)