Project/Area Number |
19K02125
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
城本 るみ 弘前大学, 人文社会科学部, 教授 (60302014)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2021: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2019: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | ハンセン病 / 療養所 / 地域特性 / 将来構想 |
Outline of Research at the Start |
ハンセン病問題基本法が成立して10年が経過したが、療養所の将来構想がどのような形で実現化されているのかについては検証されないまま今日に至っている。本研究は全国のハンセン病療養所13園における将来構想の現状を比較し、地域特性に着目して具現化の障壁を解明しようとするものである。所在地の地域的特性から入所者の高齢化と減少が続く療養所の存続の形を考察し、療養所がどのような最終着地点を見出そうとしているのかを見極め、将来構想を実現可能なものにしていくための取組みついて提言を行っていく。
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Outline of Annual Research Achievements |
慢性的なスタッフ不足に加え、特殊な高齢者施設であるという特有の事情、また研究代表者側の事情もあり2023年度も残念ながら療養所の訪問はできていない。そのため最終年度の総括として、これまでに訪問した療養所関係者の話をもとに、下記のように療養所の概況を整理した。 療養所の現状については、次の3点が共通点としてあげられる。①入所者、なかでも療養者や厚生労働省との交渉窓口となって牽引してきた各療養所自治会幹部の高齢化や死去により、自治会活動そのものが停滞しており、現在は全国13か所の療養所のうち2つの療養所で休会状態となっている。②公務員の定数削減によって看護師や医師も定数を満たさない状況が続き、とくに後遺障害を抱え特殊ケアを必要とする入所者への対応が難しくなっている。③コロナ禍による啓発活動や交流活動の減少により、外界との接点が少なくなっている。そのことも認知症患者の増加に影響をもたらし、ケア体制が追いついていない療養所が少なくない。 コロナ禍によってクラスター発生を懸念した措置をとったことで、療養所にとっては厳しい状況が続き、入所者自治会に積極的に動くことが可能なキーパーソンが存在しなければ入所者側から療養所の将来構想を考え、訴えるような状況にはない。医療従事者が不足していることにより、台湾の先行事例のような地域に開放された医療施設などへの転用は国や自治体の積極的な働きかけがないとかなり困難ではないかと考えられる。 さらに比較検討を行うため、植民地時代に療養所が設置された韓国のハンセン病問題に関する資料をあらたに入手し、今後の比較検討課題とした。
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